「ジュノへ」
戦のバクージャジャ
トライヨラの案内が途中になっちまったが、「ジュノ下層」の残滓へ向かうとしようぜ。
アルシャール
まずは、ヤクテル樹海の「次元の裂け目」の前で集合しよう。
―プリッシュ
未知の世界に続く裂け目なんてもんがあったら、ついつい入ってみたくなるよな。
―戦のバクージャジャ
とっとと野次馬どもを追い出そうぜ。
アルシャール
次元の裂け目の正体もわからないうちに、宝目当てに飛び込んでいくとはね・・・・・・。
もっとも、私も冒険者として、人のことは言えないが。
戦のバクージャジャ
トラル大陸には、黄金郷みてェな伝説が山ほどあるからなァ。
お宝を探して一発当てようって夢見る輩は絶えねェ。
魔のバクージャジャ
そんな与太話に縋るぐらいなら、真面目に働けばいいのにねェ・・・・・・。
戦のバクージャジャ
ゲッグッグッグッ!
誰が言ってんだって話だがなァ、弟よ!
・・・・・・ともかく、ジュノ下層に到着したら、入り込んだ連中に出ていくよう説得して回るぞ。
それじゃ、行くぜェ。
―プリッシュ
だからぁ!
どんな危険があるか、わからねぇんだって!
―ヒューム族の冒険者
街がこんな有様では・・・・・・はあ、酒場が恋しい・・・・・・。
―トナワータ族の盗賊
へへ・・・・・・。
―戦のバクージャジャ
悪いことは言わねェ、今すぐ家に帰んな。
ここには、オマエらが求める宝なんざ存在しねェよ。
シュバラール族の盗賊
空間に開いた裂け目に飛び込んでみたら、なんだこの街・・・・・・?
いったいどうなってんだ・・・・・・。
ここはアブねぇから出ていてだと?
ハッ、ジョーダンじゃねぇぜ。
さっき、トナワータ族の男が、珍しい石を手に入れたって叫んでたのを見たぜ。
きっと、ほかにもカネになるもんが転がってるはずだ。
―シュバラール族の盗賊
へっ、何度言ったって無駄だぜ。
おれはこのわけのわからねぇ街で、ひと山当ててやるんだ!
ヘイザ・アロ族の探検家
このような文明、トラル大陸では見たことがない・・・・・・。
ふむ、やはりここは危険な場所のようですね。
ならば、調査はここまでにしておきましょう。
それにしても残念だ。
せっかく見つけた物珍しい石材を、盗賊風の男に奪われてしまいましてね。
奴が南の方へと向かったのを見ましたが、価値のわからない物を、戦ってまで取り戻す気にはなれません。
それでは、私はこれで。
君もどうか、お気をつけください。
トナワータ族の盗賊
お前も金目のモン探しに来たのか?
俺は珍しい石を手に入れてな。
へへ、見せてやるよ。
戦のバクージャジャ
何人かは追い払えたが、宝に目が眩んだ連中は話を聞こうともしねェぜ。
おい、そいつはエレクトロープじゃねェか。
オマエが発見者か。
おいにく、そいつを持ち帰らせるわけにはいかねェ。
「エコーズの残滓」っていう力が残ってるかもしれねェからな。
トナワータ族の盗賊
お、お前にそんな権利があるのか!?
トライヨラの統治下に、こんな街があるなんて聞いたことがない!
なら、これは最初に見つけた俺の物のはずだ!
戦のバクージャジャ
オマエのために言ってやってるんだがな・・・・・・大人しく従わないなら、ぶん殴って奪うしかねェか・・・・・・?
魔のバクージャジャ
あ、兄者・・・・・・!
そんなことをしたら、オイラたちを取り立ててくれた、武王様に顔向けが・・・・・・。
戦のバクージャジャ
チッ・・・・・・ウクラマトにはデケェ借りがあるからな・・・・・・。
よし、それならこうしようぜ。
その石ころはオレサマが買い取ってやる。
カネがほしいなら、悪くない話だろォ?
トナワータ族の盗賊
こちらとしても、わざわざ売る手間が省けるのは大歓迎だ。
だが、せっかく見つけた珍しい石なんだ、安く譲るつもりはねぇからな!
シャトナ族の採集家
今のお話、聞こえましたよ。
トナワータ族の探検家
希少な石をかけた取引だとか・・・・・・ぜひ、私たちも混ぜていただけますか?
そちらの双頭よりも、高く買ってあげましょう。
戦のバクージャジャ
せっかく話がまとまりかけてたってのに・・・・・・どうする、弟よ。
魔のバクージャジャ
そうだねェ、兄者・・・・・・。
ひとりひとりに事情を説明して交渉するにも、時間がかかるだろうし・・・・・・。
アルシャール
そうか・・・・・・ここは競売所だったな・・・・・・。
ならば、こんなのはどうだろう。
それぞれが石の買取価格を提示していき、最終的にもっとも高い額を示した者が購入できる、というのは。
シャトナ族の採集家
競り、ということですか。
わかりやすくていいですね。
アルシャール
これなら、個人に買い叩かれる心配もなくなるし、君とっても良い話だと思うが。
トナワータ族の盗賊
ああ、願ってもねぇ。
どうせなら、「ペル」じゃなく「ギル」で払ってくれよ。
俺の夢は、金持ちになって外つ国で暮らすことだからな!
―戦のバクージャジャ
競りだか何だか知らねェが、とっとと終わらせるぞ!
―プリッシュ
今の話、競売所を見て思いついたんだろうな。
アルシャールの奴、やるじゃねぇか!
―アルシャール
何とか話がまとまってよかったよ。
競売方式なら、少しは力になれるはずだ。
―トナワータ族の探検家
希少な石・・・・・・いくらかかっても手に入れたい!
―シャトナ族の採集家
最近、仕事がうまくいったおかげで、手持ちには余裕があるんです。
アルシャール
それでは、エレクトロープを掛けた競売を始めよう。
購入希望者は、買取価格を提示してくれ。
戦のバクージャジャ
商売のことはよくわからねェから、買取価格はオマエが決めろ。
カネは、オレサマが傭兵時代に稼いだへそくりから出す。
・・・・・・だいたい100万ギルくらいだな。
シャトナ族の採集家
先日見つけた宝が、外つ国の商品に150万ギルで売れましてね。
探検に必要な装備を一新しても、まだ半分程度は残っていますよ。
トナワータ族の探検家
私は、何としてもあの石を手に入れてみせる。
駆け引きなんてしてる余裕はないわ。
アルシャール
いきなる大金を提示して落札すれば話は早い。
だが不要な出費を抑えるなら、競合相手よりも、ほんの僅かに上の価格を提示するべきだな。
プリッシュ
くそぉ、俺も手持ちがあれば参加できたのにな・・・・・・面白そうだぜ・・・・・・。
戦のバクージャジャ
予算の100万ギルは、オレサマの全財産だ。
使わないで済むなら、それに越したことはねェ。
できるだけ安く競り落としてくれよ。
トナワータ族の盗賊
それで、いくらでこの石を買ってくれるってんだ?
戦のバクージャジャ
さァ、さにすと!
まずはいくら払うか、決めてくれや!
さにすと
50万ギル
トナワータ族の探検家
あなたはそれが限界でしょうね。
では私は、「56万ギル」を提示するわ!
戦のバクージャジャ
50万を上回ってきやがったが、ずいぶん半端な額じゃねェか。
コイツの意味するところは、つまり・・・・・・。
さにすと
60万ギル
トナワータ族の探検家
そ、そんな・・・・・・。
私の予算を上回ってくるだなんて・・・・・・これ以上は出せない・・・・・・!
シャトナ族の採集家
彼女はここまでのようですね。
しかし、僕はまだ終わりませんよ。
次は「70万ギル」を提示させていただきましょう。
戦のバクージャジャ
ゲッグッグッグッグッ、ひとり脱落したぜェ!
残るひとりも、それほど余裕があるようには見えねェぞ!
さにすと
80万ギル
戦のバクージャジャ
20万ギルも余力を残しての落札とはなァ!
なかなかやるじゃねェか!
トナワータ族の盗賊
よし、カネも受け取ったし、この石はお前らのもんだ。
俺はとっととずらかるぜ。
―戦のバクージャジャ
予想よりも高額になっちまったが、仕方ねェ。
いざとなりゃ、リスキーモブでもぶっ倒して稼げばいいしな。
―プリッシュ
俺がやってたらきっと失敗してただろうな。
取引となると熱くなっちまう方だから、おまえみたいに冷静に進められなかったぜ。
アルシャール
無事に競り落とせてよかった。
手に入れたエレクトロープのこと、少し調べてみよう。
くっ・・・・・・!
この魔力、以前にも感じたことがある・・・・・・!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「闇の王」。
体を突き刺すような激しい憎悪がこめられた魔力・・・・・・間違いない。
このエレクトロープは、闇の王の「エコーズの残滓」を、形作っていた核だ・・・・・・。
闇の王とは、ヴァナ・ディールを恐怖に陥れた闇の血族の首魁・・・・・・私は、奴の討伐を目的とした一団に参加し、打ち倒した。
プリッシュ
おまえが闇の王を倒したって、そりゃ本当か?
ってことは、「あいつ」が闇の王と戦ってるときに、アルシャールもその場にいたってことか・・・・・・?
それらしい話は聞いたことねぇけどな・・・・・・。
戦のバクージャジャ
とにかく、このエレクトロープはオレサマが預かっておくぜ。
トライヨラに戻って、勇連隊に報告しなくちゃならねェからよ。
ヒューム族の冒険者
少々よろしいでしょうか。
先ほど、闇の王について話していませんでしたか?
闇の王のことでしたら、私もよく知っております。
ジュノがこうなる前は、酒場にいる吟遊詩人から、ヴァナ・ディールのつわものに関する逸話を、よく聞いたもので。
私は噴水の近くにいますので、もし興味があるなら聞きにきてください。
魔のバクージャジャ
さにすとは、闇の王のほかにも、サレージャが創った「エコーズの残滓」と戦ったでしょ?
それらがどんな存在だったのか、今の人と話せばわかるかもねェ。
さァて、この街に入り込んだ連中への警告はひととおり済んだ。
これ以上言っても聞かない奴は、もう放っておくしかねェ。
さらなる野次馬が増えないよう、警備は増やしておくけどさァ。
戦のバクージャジャ
それじゃ、またトライヨラまで付き合ってもらうぜ。
勇連隊への報告がてら、オマエラに紹介しておきたい奴がいてな。
「ブライトプルーム・ポスト」まで来てくれや。
ヒューム族の冒険者
ああ、話を聞きにきたんですね。
ヴァナ・ディールのつわものについて知りたいのなら、吟遊詩人の酒場で聞いた逸話を披露しましょう。
さにすと
あなたのことを話してほしい
ヒューム族の冒険者
私は冒険者の間で名が知られているような「つわもの」ではなく、バストゥーク共和国出身の平凡な冒険者。
しかしひとつだけ、誰にも負けない武器を持っているのですよ。
それは、冒険者同士の繋がり。
リンクシェルを通じて集まった多くの仲間たちと、先達からの話を元に様々な冒険に繰り出してきました。
特に印象深かったのは、アルザダール海底遺跡群から連なる遺構に眠る、宝の探索・・・・・・。
この鎧は、そのときに回収した物なんですよ。
仲間とともに苦難を越えた喜びは、何物にも代えがたい。
あなたにも、そういった経験がありますか?
さにすと
「ファブニル」について
ヒューム族の冒険者
巨大樹の最奥で遭遇した、巨大な竜・・・・・・?
ああ、それは真龍と呼ばれる希少なドラゴン、「ファブニル」に違いありませんね。
こんな逸話があります。
遥か昔、かの竜と戦った英雄が、心臓近くにまで「リディル」という名の剣を突き刺したと。
さすが真龍と言うべきか、その竜は、剣が刺さったままモノともせず活動を続けているそうです。
この話が本当なら、恐るべき生命力と言わざるを得ない・・・・・・。
そうした戦利品を手に入れたい冒険者たちが、龍のねぐらへと足を運び、返り討ちに遭っていましたね。
さにすと
「アークエンジェル」について
ヒューム族の冒険者
青白い肌と赤き眼を持つ5人の戦士・・・・・・?
聞き覚えがありますね、たしか「アークエンジェル」でしたか。
その正体は、ある古代文明の人々が、クリスタルを用いて生みだした人工生命体なんだとか。
ヒューム、エルヴァーン、タルタル、ミスラ、ガルカ・・・・・・女神アルタナより生まれし5種族の姿をしたアークエンジェルは、それぞれの種族が持つ「心の闇」を色濃く反映しているのです。
たとえば、ヒュームなら「無知」・・・・・・道理を理解できず、弱者をいたぶり強者に従う性質のこと。
私にも、思い当たるフシがありますよ・・・・・・。
アークエンジェルが作られた理由はわかりませんが、あるいは、美しき庭園と、かつてそこで暮らした人々を護るため、戦っていたのかもしれません・・・・・・守護者として。
さにすと
「闇の王」について
ヒューム族の冒険者
闇のような漆黒の身体と、人間への憎悪を抱えた異形・・・・・・それは間違いなく「闇の王」のことですね。
かつて闇の王は獣人血盟軍を率いて、「水晶大戦」を引き起こしたのです。
人類の殲滅を、目的に掲げて。
獣人血盟軍の圧倒的な物量を前に、人類は敗退の一途を辿る・・・・・・そんなとき、ジュノの大公「カムラナート」による呼びかけで、4つの大国家による「アルタナ連合軍」が結成されました。
連合軍によって結束した力は、獣人たちを押し返し・・・・・・ついに、敵の本拠地である「ズヴァール城」にて、闇の王を討ち取ることに成功したのです。
そして、ヴァナ・ディールは平和を取り戻しました。
その後、20年の時を経て、闇の王は復活を果たしますが、冒険者を中心とした討伐隊の手で、再び打ち倒されることとなる。
そんな闇の王の正体については、諸説ありましてね。
奴はもともと、人間のガルカ族だった・・・・・・なんて噂する者もいるのですよ。
あるとき、ひとりのガルカ族が、浅薄な仲間の裏切りによって命を奪われそうになった挙げ句、心から信頼する大切な女性を失ってしまった。
以来、彼は人間の愚かしさに深く絶望し、激しい憎悪を募らせていった・・・・・・。
そしていつしか「闇の王」となった、とね・・・・・・。
あなたの話が本当ならば、闇の王は再び復活したことになる。
もしや奴は、人間への復習を果たすまで、何度でも現れるでしょうか・・・・・・?
―戦のバクージャジャ
戻ってきたか。
例の紹介したい奴が来るまで、嬢ちゃんと話して待ってな。
―アルシャール
ここが、バクージャジャが所属する勇連隊の屯所か。
皆、闘志の宿った良い瞳をしている。
プリッシュ
さぁてと、トライヨラに戻ってきたはいいけど、進展があるまで、どうすっかなぁ。
ユーレンタイの手伝いでもするか?
魔のバクージャジャ
だったら、「エコーズの残滓」の出現に備えて、トライヨラの近くを見て回るっていうのはどう?
いざというときに、迷子になったら困るでしょ?
プリッシュ
この大陸を冒険しろってことだな!
そりゃいいぜ!
アルシャール、おまえも付き合えよ。
ヴァナ・ディールの冒険者、なんだろ?
アルシャール
そうだな・・・・・・悪くない提案だ。
戦のバクージャジャ
そうは言っても、トラル大陸にゃ危険な場所も多い。
あまり浮かれすぎねェように気をつけろよ。
プリッシュ
へへへ、わかってるって!
ヴァナ・ディールでも、何度も危機に見舞われた。
だけどさ、冒険者や大勢の仲間で力を合わせて、乗り越えることができたんだ。
今回だってきっと上手くいくさ!
ふたつの世界に生きる俺たちが、手を取り合えばな!
アルシャール
共通の目的を前にして、出会ったばかりの者たちが手を組んで戦う、か・・・・・・。
なんだか、ひどく懐かしい気がするよ。
戦のバクージャジャ
こいつら見てたら、急に胸が熱くなってきやがった。
風邪でも引いたかァ?
魔のバクージャジャ
だけど、不思議と悪くない気分だねェ。
戦のバクージャジャ
ともかく・・・・・・
サレージャの動きがわかり次第、伝令役のこいつらから連絡させる。
そのときになったら、頼んだぞ。
一方、次元の狭間―――
理の残滓
ゲッグッグッグッ・・・・・・サレージャ、よ。
人間どもを、始末する、策は、仕上がった、か?
サレージャ
グルージャジャ様、準備は滞りなく進めております。
あなた様が真の王とならせられる日は、もう間もなくでございます。
ホッホッホ・・・・・・あちらの世界のグルージャジャ様からは、知性というものが感じられませんな。
その方が御しやすいと言えましょうがね。
ともかく、いち早く最強の王を完成させるためにも、次なる「エコーズの残滓」を選定を始めるとしましょう。
いやはや、ヴァナ・ディールの歴史は興味深い。
人に絶望し闇の王となった者の顛末などは、とても悲劇的で楽しませていただきましたが・・・・・・。
次の舞台に上がる演者は、彼の世界で栄華を築いた「古代人」の王族・・・・・・そのような芝居も、面白そうではありませんか。
―伝令役の勇連隊士
サレージャの動向に関する情報は、今のところ、入ってきていません。
動きがあり次第、すぐ共有させていただきます!
―ミーラジャ
「エコーズの残滓」の出現に備えて、ゼレージャが勇連隊と連携して見回りを強化するそうよ。
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