【FF14】辿り着く故郷 ワチュメキメキ万貨街取引

「辿り着く故郷」

パメカ
まあ、さにすと君。
この前のデモウェニ君、なにやら悩んでそうでしたよね。
次の依頼についても話してませんでしたし・・・・・・もしかして、本の製作はもうおしまいなんでしょうか。
そういえば、元々はお客さんから求められて、物語を披露する際の助けとして本を作ってたんですよね。
普段は、どういう感じでやっているんでしょうか。
ちょっと気になってきたので、遺書に彼が勤めているシャバーブチェに行ってみませんか?
ありがとうございます!
ではデモウェニ君のところに行ってみましょう!
―パメカ
私は店を閉める支度をしていきます。
キミはシャバーブチェのデモウェニ君のところへ、先に向かっててもらえますか?

 

 

 

デモウェニ
おや、おふたりとも、仕事あがりの一杯ですか?

 

パメカ
ああ、それも悪くありませんが・・・・・・普段デモウェニ君がどんな風に物語を披露しているのかと、ちょっと気になったものですから。

 

デモウェニ
でしたら、今はちょっと間が悪かったのかも・・・・・・。
まだお客さんの入りもそこまでじゃないから、多分すぐにはやらないかな。

 

パメカ
そうですか、それは残念です・・・・・・。
そうだ、次にご依頼される内容は決まっていますか?
先にわかれば、さにすと君に、素材の準備だけでも進めてもらえるのですが。

 

デモウェニ
次の依頼、ですか・・・・・・。

 

パメカ
ハッ、もしや、もう本にしたい物語がなかったとか?
それでしたら無理は言いませんので!

 

デモウェニ
いえ、お客さんから聞いた話はまだまだたくさんあります。
ただ次は、知られざる曽祖父の足跡を書いたパメカさんのように、僕も自分の一族のことを本にしたいなと思って。
僕らの物語も、よその人にはまったく知られていません。
口伝が絶えれば永久に失われてしまうわけで、そうならないよう、記録に残しておきたいんです。

 

パメカ
おお、それは素敵ですね!
しかし、それならば何を悩んでいるのです?

 

デモウェニ
そういう本を作ったとして・・・・・・肝心の故郷の皆は、文字を知らないから読めないんです。
そんあものを残して、本当に想いを継いだと言えるでしょうか?

 

パメカ
言われてみれば、たしかに・・・・・・。
文字を使わない方たちの想い、どうすれば残せるのでしょうか。

 

さにすと
文字が読めない人にも読める本にしよう。

 

パメカ
なるほど、文字だけに頼らなければよいのですね。
たとえば挿絵を入れるとか・・・・・・。
いえ、なんなら実物をそのまま使っても構いません。
登場する生き物の羽根や、咲いている花などを直接貼付すれば、その感触や香りを確かめることさえできます。
もちろん本として保存がきく加工を施す必要はあるでしょう。
しかし、そういった工夫を凝らせば、文字に頼らず物語の世界観を伝えられるのでは!?

 

デモウェニ
さまざまな感覚に訴えかけるような本・・・・・・それならうちの一族にも、内容が伝わると思います。
ちょうど今、僕が故郷の品を持ってますから、ぜひ装丁の部材作成に使ってください!
念のため、予備の品を取りに戻ってから筆記工房まで伺います。

 

パメカ
では、私も戻って口述筆記の支度をしますね。
キミは「トナワータ様式の装丁部材」の準備をしつつ、筆記工房の方まで来てください!

 

 


―デモウェニ
おお、装丁の部材が完成しましたか。
ではそれを「パメカ」さんにも見せて、口述筆記を始めましょう!

パメカ
さまざまな感覚に訴えかける本にふさわしい装丁。
「トナワータ様式の装丁部材」の準備はできましたか?
ああ、なんと丁寧な仕上がり・・・・・・素敵な本になりそうですね!
それでは、すぐに口述筆記を始めましょう。

 

 

デモウェニ
これは・・・・・・なんて素晴らしい本なんだ。
文字で物語が記録されているだけでなく、貼付された羽根や草花を通じて、物語を体験できるなんて。
この本を故郷に持ち帰って、家族に見てもらおう。
文字は読めなくとも、自分たちのことが記されているんだって、きっと理解してもらえると思う。

 

さにすと
朗読をすれば、さらに多くの人に理解してもらえそうだ


デモウェニ
ええ、それが当初の目的でしたからね。
おかげさまで、僕もずいぶんと文字を読めるようになりましたし、暗唱するのではなく、朗読会という形にしてみましょう。
そろそろ、お見せに常連のお客さんたちが集まるころです。
おふたりもぜひいらしてください、特等席を用意しますよ!

 

パメカ
ありがとうございます。
それでは私たちも「シャバーブチェ」に行きましょう!
―パメカ
本を作ったので、一度物語の内容は聞いてしまっていますが、それをほかのお客さんたちがどう受け止めるか、楽しみですね!
キミは先に「シャバーブチェ」に向かっててください。

 

 

 

―デモウェニ
おふたりの席を用意しましたので、あちらへどうぞ。

パメカ
あちこちのテーブルから、いろんなお話が漏れ聞こえてきます。
ここは本当に、物語が集う場所なんですね!

 

デモウェニ
うちは常連客が多いけど、皆はじめて来た人を歓迎するんだ。
誰も彼も、まだ知らない物語に飢えてるからね!

 

朗らかな酔客
おおい、お兄さん!
今日も聞かせてくれないか、ひとつ新しい、面白い話を!

 

デモウェニ
よし、来た!
とっておきのお話がありますよ!
これからお話しするのは、この僕のご先祖様の物語!
うちの一族は文字を使わないため、口伝が絶えれば、すべて歴史の闇に消えていくさだめ・・・・・・。
そこでこのたび、あちらのパメカさんと・・・・・・旅の職人さにすとさんの手を借りて、一冊の本を作ったんです。
今日はそのお披露目ということで、皆さんの前で僕が朗読いたしましょう!
昼と夜とが、万の百倍も巡るほど昔のこと・・・・・・。
ご先祖様たちは、サカ・トラルの東の果てにあるという、土は肥え、風そよぎて種運ぶ豊穣の地で暮らしていた。
しかしある年の夏のこと、大蛇のように長雨が続き、すべての作物を腐らせ、ほどなく皆は飢えてしまった。
「太陽を呼ぼう」と誰かが叫んだ。
そこで人々は空に向かって太陽を呼ぶ祈りを捧げたのだが、それを聞いた雨雲は怒り狂い、さらに雨を降らせる始末・・・・・・。
かくして畑を流されたご先祖様たちは、太陽を求めて旅に出た。
来る日も来る日も歩き続け、空腹と渇きに倒れそうになったころ、彼らは1本のサボテンに出くわした。
「太陽輝く地を目指すなら、どうか自分も連れていってほしい。
その空腹も渇きも、私の実を食べれば癒やせよう。
種を道すがらに撒いてくれれば、新たな実も得られるはずだ」
こうして彼らが行く道には多くのサボテンが育ち、その実を食べて栄養をつけては、再び西へ・・・・・・。
ご先祖様の太陽を求める旅は、昼と夜とが万の十倍も巡るほど続いたという。
そして彼らがたどり着いたのは、太陽輝く荒野。
照りつける陽射しの下でサボテンは大きく育ち、ご先祖様たちに向かって言った。
「ありがとう、人の子らよ!
こここそが遠き昔に願った太陽輝く地!
明日より、私は黙して語らず、人のために糧を授けよう」
以来、誰一人としてサボテンの声を聞く者はいなくなった。
しかし、ご先祖様たちは旅の仲間に敬意を示し、かけがえのない存在として大切に育てることにした。
彼らはそこに集落を築くと、輝く太陽と壮麗なサボテンたちと共に、末永く幸せに暮らしたのだ・・・・・・。
トナワータ族とは「太陽を追う者」という意味だが、実は、その由来ははっきりとしない。
お聞きのとおり、うちの一族は、それがサボテンと共に歩んだ旅に由来すると語り継いできた。
だが、まったく異なる物語を伝える人たちもいるだろう。
自分たちが正しいと主張したいわけじゃない。
ただ、そう信じる者たちが、この広いトラル大陸の片隅にいるんだってこと。
僕の一族の物語が、ひとりでも多くの人の記憶に残り、未来へと語り継がれることを、僕は望む。
・・・・・・以上、ご清聴ありがとうございました!

 

 


デモウェニ
いかがでしたか?
いつも今みたいな感じで、皆さんそれぞれに、自分たちの物語を披露しあっているんです。
パメカさんは店を空けたままにしていられないので、ひと足お先に戻ったみたいですね。
どうぞ、よろしくお伝えください。
―デモウェニ
素敵な本をありがとうございました!
パメカさんにも、よろしくお伝えください。

 

 

 


パメカ
デモウェニ君のお話、とても好評でしたね!
お店の雰囲気も相まって、まるで物語の世界に迷いこんだような時間を体験できましたよ。
言葉って、本当に不思議です。
心を込めて読みあげれば、文字が表す以上の印象を、受け手に届けることができるんですから。
私も今回の経験を活かし、お客さんの想いを、より深く汲みとった代筆ができるようになりたいです。
ただ文字を紙に書きつけるのではなく、想いのすべてをそこに封じ込める・・・・・・キミと一緒に作った、数々の本のように。
それでも、私ひとりでやれることには限界があります。
また、装丁職人が必要になったら、そのときは、よろしくお願いしますね!
―パメカ
デモウェニ君の依頼も一段落つきましたし、一度休暇を取って、少し旅をしてみるのもよいかもしれません。
私も曽祖父のように、多くの文化に触れて、人々が遺した想いの形を学びたいと思いまして。
もちろん、外つ国にも興味がありますよ。
知の都には、大書院なる本の楽園があるとか!
いつか訪れてみたいものです・・・・・・!

 

 

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