【FF14】樹冠の向こうに ワチュメキメキ万貨街取引

「樹冠の向こうに」

パメカ
どうも、待ってましたよ。
前回、ウォーラーの残響では、いろいろなことがわかりましたね。
私の曽祖父や、ヨカフイ族の皆さん、それにグルージャジャ様・・・・・・違う文化の人々が、想いを伝えるために何をしてきたか。
今なら、私たちもデモウェニ君の依頼に、より高い精度で応えられそうです!

 

デモウェニ
やあ、おふたりとも。
なにやら楽しそうだね?

 

パメカ
デモウェニ君、いらっしゃい。
実は、あれから私の一族について調べまして・・・・・・曽祖父に関する物語を、1冊の本にしたんです。
きっかけをくれたデモウェニ君にも、読んでもらいたくて。

 

デモウェニ
それは光栄だ!
僕も少しは文字が読めるようになってきたし、喜んでお借りします!
そろそろ、読みだけじゃなくて、書く方も上達したいところだけど・・・・・・当面は、まだこの工房のお世話になりそうだ。
というのも、マムージャ族のお客さんから興味深い話を聞いてね。
今度はその物語を本にしてみたいんだ。

 

パメカ
承知しました。
では、少しお時間をください。
今回の物語にふさわしいのは、ヤクテル樹海で採れる素材を用いたものになるかと。
どうか「マムージャ様式の装丁部材」の準備をお願いします!
―デモウェニ
僕はパメカさんからお借りした本を読んでますから、じっくり時間をかけて準備してもらって大丈夫ですよ。
うわぁ、楽しみだなー!

 

 

 


パメカ
こちらは、ヤクテル樹海に由来する植物や木材を、より一層丁寧かつキメ細やかに加工していますね・・・・・・今回もまた、良い本ができあがりそうです!


 
デモウェニ
さて、今回のお話を僕に教えてくれたのは、マムージャ族・・・・・・それも、ドプロ族のお客さんでした。
ドプロ族といえば騎獣の扱いに長けた部族ですが、その用途は、何も戦いに限ったものではなかったようです。
これはそんなドプロ族に伝わる、古い、古い物語・・・・・・。
あるところにドプロ族の青年がいた。
彼の部族には「太陽の陽射しが差し込む地を目指せ」、という教えがあり、皆その地を探して戦いに明け暮れていた。
しかし、青年ときたら腕っぷしはからっきし。
戦場に出ることは許されず、任されるのはウィヴルに荷車をひかせ荷物を運ぶ仕事だけ。
そこで彼は、飛獣を操ることができれば、高い樹木の樹冠を抜けて、太陽を拝めるのではないかと考えた。
こうして、森のあちこちを歩き・・・・・・空を飛べる生き物を見つけては、その背に飛び乗ろうとする毎日が始まった。
腕っぷしの弱い彼では、小型の獣を手懐けるのもひと苦労。
何度振り落とされても同じことを繰り返す。
彼の姿を見た仲間たちは、ついにおかしくなったのかと笑った。
それでも彼は諦めず、果敢に挑戦を続け・・・・・・やがてレルムザシャールという獣を操る術を見つけた。
部族の中で、初めて飛獣を乗りこなすことに成功したのだ!
すぐさまその方法を老いた両親にも伝えると、彼はレルムザシャールに乗って飛び立った。
・・・・・・そして、樹冠の向こうへと消えた。
それから彼は二度と帰らなかったが、きっと太陽の陽射しが差し込む地へと辿りついたのだろう。
やがて、彼が遺した技術が広まり、今では陽射しを浴びて空を往くドプロ族の姿は珍しくない。
おお・・・・・・この深く吸い込まれるような青の装丁は・・・・・・陽の光届かぬ森のセノーテ、いや、彼らが目指した空の青?
いろいろと想像が湧きますね!
あなたは、今の物語のどこが印象に残りましたか?

 

さにすと
彼は勇敢な青年だったに違いない。

 

パメカ
敵と戦って土地を奪うのではなく、別の動物の力を借りて、まだ見ぬ土地へ・・・・・・それが事実なら、称えられるべき冒険譚です!
私たちは、過去に戻って真実を明らかにすることはできません。
しかし、物語を聞いて抱いた今の想いを、さらに未来へと語り継いでいくことはできます。
本を書くということは、想いを未来へ託すこと・・・・・・そう言ってしまっても良いのではないでしょうか。

 

デモウェニ
想いを未来へ託す・・・・・・。
逆に言えば、だれかが受け継がないかぎり、そこで想いは途絶えてしまう、ということでもあるのか。
これまでに口述し、本にしてくださった物語には、そういう想いがたくさん詰まっていました。
けれど、うちの一族には記録なんてひとつもない。
口伝で語り継いでる物語はあるものの、よそで暮らす人は誰も知らない。
このまま、誰かに知られることなく消えてしまったら・・・・・・一族が生きていたという事実さえ、なかったのと同じことに・・・・・・。

 

パメカ
・・・・・・デモウェニ君?

 

デモウェニ
おおっと、失礼。
そろそろ仕事の時間だし、僕はもう行きます。
おふたりとも、素敵な本をありがとう!

 

 

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