「文字では伝わらない想い」
パメカ
デモウェニ君の一族が、自分たちだけの伝承を語り継いでいるというお話を聞いて・・・・・・私の一族にも何か伝わる物語がないか、興味が湧きました。
ちょうど通常の業務もすべて片付いているので、店を閉めて、両親に話を聞きにいこうかと。
内容次第では、そのまま街の外に調べに出掛けるかもしれません。
ただ、トライヨラの外には不慣れでして、キミについてきてもらえると助かるのですが・・・・・・。
ありがとうございます!
では、ひとまず実家で話を聞いてきますので、のちほど「エクワーヤ広場」で待ち合わせましょう!
―パメカ
店を閉めてから、実家へ向かいます。
のちほど、「エクワーヤ広場」で待ち合わせましょう!
パメカ
お待たせしました。
私の御先祖様について、いくつかわかったことがあります。
うちの一族は曽祖父の代に、トライヨラ建国とともにサカ・トラルから移住してきたそうです。
ただ、それ以前のことは、両親も知らないようでした。
そこで、何か手がかりがないか蔵の中を探してみたら、絵文字が描かれた、出どころ不明の石板が見つかりましてね。
曽祖父は王宮に仕える役人だったそうですが、職務の秘密を家族に話すような人ではなく・・・・・・この石板の由来も不明なのだとか。
さにすと
絵文字といえば叙事詩の石塔・・・・・・
パメカ
金煌なる旅程の石塔ですね。
あの絵文字を描いたのはマムージャ族ですが、元を辿ればヨカフイ族の文化だったはず・・・・・・。
石板をヨカフイ族に見せれば、曽祖父の仕事について、何かしら手がかりが得られるかもしれません。
ならばこれから、私をヨカフイ族たちが暮らす集落、「ウォーラーの残響」に連れていってくれませんか!?
ありがとうございます!
さっそくですが出発しましょう!
パメカ
着きましたね。
ここがヨカフイ族たちが暮らす場所・・・・・・!
石柱に彫られている絵文字は、うちの石板に描かれたものと同じ系統のように見えます。
こちらの集落の皆さんなら、この石板に込められた意味も読み解けるはず。
さっそく声をかけて、協力を仰いでみましょう。
とはいえ不慣れな私では、知らずに失礼を働きかねません。
ヨカフイ族とも交流した経験のあるキミに、先導をお願いさせてください!
―パメカ
ヨカフイ族には、今も独自の言葉を使う方々がいるそうですが、ここの皆さんはトラル公用語を使うみたいです。
公用語の文字も読み書きできるのかもしれませんが、それでも絵文字という文化を大事に継承しているのでしょうね。
「カーリョーザー祭拝殿」について
パメカ
ここが、ヴァリガルマンダが封印されていた拝殿ですか・・・・・・。
かの「生ける天災」に関する逸話はあまりに有名。
まさに物語を持った建物と言えるでしょう。
しかし、ここにかぎらず、建物とはどのようなものであれ、何かしらの目的をもって造られています。
中には、今では遺跡となった用途不明の建物もありますが、考古学者たちは、立地や間取り、建材や装飾などからその正体を・・・・・・固有の物語を解き明かすのだとか。
文字などなくても、人は歴史を紡げるんですね。
うーん、私には想像できない世界です・・・・・・!
年若いヨカフイ族
ふむ、先祖伝来の石板を解読したい、と・・・・・・?
立て込んでるので、少しであれば構いませんよ。
これは・・・・・・比較的新しいものですね。
今から80年ほど前の日付が描かれています。
この石板を持つ者は連王の家臣であることから、客分として、ここに滞在中の便宜を図るべし・・・・・・と。
なんというか、滞在許可証のようなものでしょう。
あのころは、まだ戦争が終わったばかりで、今ほど自由に人々が往来してはいなかったと聞きます。
だから、このような石板が必要だったのかもしれませんね。
―年若いヨカフイ族
この石板を持っていた人は、客分としてこの集落に滞在していたようですね。
当時のことは、自分はよくわからず・・・・・・すみません。
冷淡なヨカフイ族
こんなところまで来るとは、ずいぶんと暇なようだ。
用があるなら、さっさと済ませてくれ。
この石板の持ち主についていろいろと描かれているな。
トライヨラから来たとかなんとか、お前たちも知っていそうなことは飛ばそう。
ハッキリとはわからんが、どうも新しい文字を作り出すため、トラル大陸中の文化を学んでいる男だということらしい。
新しい文字とは、いったい何のことだろうか・・・・・・。
―冷淡なヨカフイ族
石板の持ち主は、新しい文字を作ろうとした男らしいが・・・・・・何のことだかサッパリわからん。
私も忙しいので、これくらいでいいかね。
眠そうなヨカフイ族
ふわぁ・・・・・・石板の絵文字を読んでみてほしい?
今すごい眠いんだけど、しょうがないなぁ・・・・・・。
うーん・・・・・・どうやら、この石板の持ち主も、今の君たちのように絵文字を学びに来たようだ。
ヨカフイの石工を訪ねるのが目的だったみたい。
ここの者なら誰でも絵文字を描けるけど、石に刻んで記録を残すのは、専門の石工の仕事だから・・・・・・。
石工から何をどう学んだのか・・・・・・その内容までは全然わからないなぁ。
ごめん、こんなところでいい・・・・・・?
―眠そうなヨカフイ族
ふわぁ・・・・・・とりあえず、石工を訪ねたと描いてあるね。
それ以上のことは、ほかの人に聞いて・・・・・・。
パメカ
お話をまとめると・・・・・・私の曽祖父は、連王の家臣として、客分の扱いを受けてこちらの集落に滞在していた、と。
そして、どうも新しい文字とやらを作るため、各地を巡っており、ヨカフイ族の絵文字のことも学ぼうとしていた・・・・・・。
80年ほど前のことなら、もしかすると当時応対した方が、まだこの集落にいるかもしれませんね。
「ヨカフイ族の石工」さんを探して聞いてみましょう!
ヨカフイ族の石工
ええ、私は80年以上前から石工をしていますが・・・・・・。
何が知りたいのです?
・・・・・・ああ、思い出しました。
トライヨラ建国の直後のこと、この石板を持った男性が、こちらに滞在していたことがありましたね。
パメカ
やはりそうでしたか。
私の曽祖父は、なぜ絵文字を学ぼうとしたのでしょう?
ヨカフイ族の石工
それは、彼が新しい文字を作ろうとしていたからですよ。
当時、トライヨラでは理王グルージャジャのもとで、「公用語」を作ろうとしていましたから・・・・・・。
そのころは、グルージャジャ様が大陸統一を成し遂げたばかり。
様々な部族がトライヨラに集まっていましたから、言葉の違いによる問題も多かったのだとか。
そこであなたの曽祖父殿は、公用語に合わせた新しい文字を作るよう提案しました。
しかしその案は採用されず、外つ国の文字を借用することに・・・・・・。
そればかりか、グルージャジャ様は彼に対し、「各部族の文化について学んでこい」と命じられたそうです。
彼はいくつもの部族を回ったのち、ここにやってきました。
我々の文化といえば、もちろん絵文字。
ただし、彼が学ぼうとしたのは、読み書きだけではなかった。
我々がどのような意図で石に絵を彫るのか、絵柄の決め方から、彫る順番まで過程を知ろうとしたのです。
そうして我々の文化について理解を深めた後・・・・・・曽祖父殿は「連王様の言わんとすることが理解できた」と、満足してトライヨラへと戻っていきました。
パメカ
なんと、私の曽祖父とグルージャジャ様の間に、そのようなことがあったとは、全然知りませんでした。
グルージャジャ様が新たな文字を不要と断じ、曽祖父もまた、同じ結論に至ったその理由・・・・・・。
私のもわかる気がします。
ヨカフイ族の石工
ほう、それはいったいどういう理由でしょうか?
パメカ
公用語は、各部族の文化とは関係なく、あくまでも利便性のために制定されました。
それに対応した文字を作ったとしたら・・・・・・?
公用語が「自分たちの作った言葉」になり、受け継いできた文化が上書きされてしまうんです。
けれど、エオルゼア文字を借用しておけば、公用語は誰にとっても「借り物の言葉」であり続ける。
つまり、トラル公用語を「自分たちの言葉にしない」ことで、各部族が受け継いできた文化を護りたかったんです!
・・・・・・それが、文字を不要と断じた理由かと。
曽祖父は各地を旅した末、ヨカフイ族の絵文字を見て、独自の文字体系を残すことの意義に気づいた・・・・・・。
だから、この石板も大事に保管していたのでしょう。
ヨカフイ族の石工
どうやら、あなたも曽祖父殿の物語を、正しく継承することができたようですね。
パメカ
それは・・・・・・!
まさしく、私がこの旅で明らかにしようとしていたもの・・・・・・私が語らなければ、このまま忘れられてしまう物語!
今すぐにでも本にしたい気持ちが湧いてきました!
ここでキミに、装丁の作成をお願いできないでしょうか?
―ヨカフイ族の石工
本というのは、我々には小さく扱いづらいが・・・・・・どのようにして作られるのか、興味がありますね。
パメカ
曽祖父の旅路の転換点となったヨカフイ族との出会い。
その出来事を象徴する本を作るのであれば、この一帯の石材を装丁に採り入れるのがよさそうですが・・・・・・。
ヨカフイ族の拙攻
石材ならここにいくらでもあります。
好きなだけ使ってくれて構いませんよ。
パメカ
ありがとうございます!
こんなこともあろうかと、紙とペン、そして携帯式の文机を持ってきていましてね。
ですので、これからここで本の執筆を始めようかと。
その間、さにすとさんは、「ヨカフイ伝統素材」を分けていただいて、「ヨカフイ様式の装丁」の作成をお願いします!
―ヨカフイ族の石工
書物というものは知ってしましたが、その装飾に石をつかうこともあるとは知りませんでした。
ここにはいくらでもありあと好きなだけ使ってください。
パメカ
ヨカフイ族の石工から「ヨカフイの伝統素材」をお借りして、「ヨカフイ様式の装丁」の作成をお願いします!
ああ、ついにうちの一族についての本ができあがりました。
これは私にとって、とても大事な1冊となるでしょう・・・・・・!
この中には、あなた方ヨカフイ族のことも書かれています。
それで、すべての事柄を文字で書くのは、ちょっと違うと思いまして・・・・・・
曽祖父が目にしたであろう石碑の数々を、僭越ながらいくつか模写させていただきました。
なんというか、挿絵のようなものですね。
ヨカフイ族の石工
なるほど、絵文字を読めはしなくとも、我々の文化がどのようなものであるか、それで伝わりますね。
大変ありがたいことです。
パメカ
想いを伝えるのは、文字だけではない・・・・・・そう、曽祖父に教わったような気がします。
大変お世話になりました。
これにて私たちはトライヨラに戻ろうと思います。
―ヨカフイ族の石工
80年近くも前の出来事が、今に伝わり、新たな異文化交流を育ませるとは・・・・・・。
これもグルージャジャ様が望んだ未来の姿かもしれませんね。
パメカ
曽祖父の物語を知ることができ、トライヨラを飛び出していった甲斐がありました。
作った本は、デモウェニ君にお貸ししようかと思います。
最近の彼、少しずつ文字が読めるようになってきたそうですし、挿絵もありますから、内容も理解しやすいかと。
元はと言えば、彼の依頼がきっかけですから。
読んでいただけたら、嬉しいです。
キミにはウォーラーの残響まで連れていってもらっただけでなく、素晴らしい装丁まで仕上げていただいて・・・・・・今回は本当にお世話になりました。
また次の依頼があったときには、よろしくお願いしますね!
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