「駆け出し冒険者の毒薬騒動」
ローシュカナ
さにすと、ちょっと相談してもいいかしら？
実はね、ここで麻痺している人が倒れていた事件のあと、犯人たちの動きがまったくないのよ。
悪さが収まったと考えればいいことではあるものの、犯人探しの手がかりが途絶えたも同然･･････どうしたものかと、困っちゃってね。
快活なイエロージャケット警備兵
さにすと殿ー！
例の犯人について、情報が入りましたよ！
果物売りの行商人と目されるララフェル族の男性が、ヒューラン族の女性を伴って、都市を出る姿が目撃されたのです！
ふたりはエールポート方面に向かったとのこと。
我々イエロージャケットや市民が警戒を強めていたので、リムサ･ロミンサでは動きづらくなったのかもしれませんね！
ローシュカナ
エールポート･･････？
それも、この島にある場所なのかしら。
快活なイエロージャケット警備兵
あ、そうです！
西ラノシアにある港町で、徒歩で向かうこともできますけど、漁師ギルド近くから出ている船便でも行けますよ。
むろん、我々も引き続き警戒を続けていきますが、経験豊富な冒険者でもあられるさにすと殿に、犯人を追跡していただけるのなら心強いというもの･･････。
事件の調査を続けられるのであれば、ぜひ、エールポートに向かってみてください！
さにすと殿、ご一緒できて光栄でした！
おふたりとも、どうかお気をつけて！
ローシュカナ
イエロージャケットというのは、ここを守る人たちなのよね？
そういう人から頼りにされてるなんて、さにすとはすごいわ。
遠い異国の地で祭器を取り戻せるか不安だったけど、アナタと、さっきの彼女のおかげで一歩前進よ！
犯人たちがさらに移動してしまう前に、さっそくその港町へ出発しましょう！
ワタシは、船でエールポートへ向かうわね。
アナタも追跡の準備を整えたら、現地に来てくれると助かるわ。
ローシュカナ
ああ、さにすと！
初めての場所で心配だったけど、無事に合流できてよかった。
移動中、船頭といろいろとお話しして、エールポート周辺の地理についても教わっておいたわ。
犯人の追跡中に、道に迷ったら大変だからね。
あと、行商人の二人組を乗せなかった聞いてみたけど、珍しい種族の組み合わせではないから、わからないって。
そのかわりに、耳寄りな情報をもらったわ。
エールポートで長らく働いている商人がいるそうでね、港を出入りしている人のことなら知ってるかもしれないと。
相変わらず、手がかりは多くないけど、なんと犯人の尻尾を掴みたいわね･･････。
ひとまず、その「エーリポートの商人」と話してみましょう。
この時間なら、スカルバレー側の門の近くで、お仕事をしているそうよ。
―ローシュカナ
船頭が言っていた「エールポートの商人」は、この人みたいね。
エールポートの商人
おや、何か入用か？
ララフェル族の男と、ヒューラン族の女･･････ああ、その組み合わせの行商人だったらさっき見たぞ。
知らない顔だったから、印象の残ってなぁ。
駆け出しの冒険者相手に、安価で錬金薬を売っていた。
新米の支援がてら、必需品を安く売るヤツがたまにいるんだ。
ローシュカナ
錬金薬を･･････？
その行商人がワタシたちの追っている人だとしたら、薬に何か仕込んでいる可能性があるわ。
エールポートの商人
おいおい、それは本当なのか？
薬を買った冒険者･･････斧術士のウィスルムと幻術士のゼリグなら、農民の護衛を引き受けて、ここを発ったところだぞ。
たしか、スウィフトパーチ入植地まで行くと言っていた。
彼らはとても気のいいヤツらなんだ･･････追いかけてやってもらえないか？
ローシュカナ
ええ、わかったわ！
たしか、「スウィフトパーチ入植地」はここから南東よね？
さにすと、急いで追いかけましょう！
―エールポートの商人
俺は商談でここを離れてしまうが、「スウィフトパーチ入植地」へ向かったふたりを、どうか頼む。
―ローシュカナ
さにすと、どこからかわからないけど、視線を感じるわ。
今もまだ、何かに「見られている」ような･･････。
―ゼリグ
しゃっくりが、ひっく、止まらなっ･･････。
「ウィスルム」を、ひっく、助けてやって･･････ひっく！
―雇い主の農民
あ、危ないところでした･･････。
助けてくださって、ありがとうございます！
ウィスルム
ふぅ･･････。
ありがとよ、もう大丈夫だ！
エールポートで買った錬金薬が不良品だったのか、相棒が飲んだら、しゃっくりが止まんなくなっちまってな。
魔法も唱えられなくなって、焦ったぜ･･････。
ゼリグ
ひっく･･････。
ローシュカナ
そのしゃっくりが毒によるものだとしたら、リムサ･ロミンサのときと同じで、エスナで治せるはずよ。
ウィスルム
毒だぁ！？
･･････いやいやっ、その話は後回しだな！
助けてもらったってのに、さらに図々しいこと言っちまうが、こいつ･･････ゼリグに「エスナ」を頼めねぇか？
―ローシュカナ
ゼリグのしゃっくりが毒によるものだとしたら、リムサ･ロミンサのときと同じで、エスナで治せるはずよ。
周囲の警戒はワタシに任せて、アナタは彼を癒やしてあげて。
ゼリグ
すまない、助かった。
ウィスルム
ったく、どうして魔法人形なんかがいやがったんだ？
それにあの行商人･･････妙な錬金薬を売りつけやがって！
ローシュカナ
そこにいるのは、誰？
????
えぇ、怖ぁーい！
どうして気づくかなぁ･･････？
ウィスルム
あっ、てめぇ！
俺らに錬金薬を売った行商人じゃねえか！
ヒューラン族の女
薬に沈黙の毒を仕込んだはずなのに、しゃっくりし始めるから、笑っちゃったわ！
ララフェル族の男
毒が薬の成分と混ざって、変な風に作用したのでは？
まあ、面白かったからいいんじゃないですかね。
ローシュカナ
毒･･････！
やっぱり、アナタたちが祭器を奪った「自由の扉」の一味ね！
ヒューラン族の女
ふぅん、その名前を知ってるんだ！
それなら、ここは名乗りを上げておこうかなぁー？
エルレット
私は自由の扉の一員にして、腕利きの錬金術師「エルレット」よ！
ココノワ
どうも、お姉さんたち。
エルレットの助手をやっている、彫金師の「ココノワ」です。
エルレット
あ、もしかしてお姉さんってば、あの部族の人？
祭器を取り返すために、わざわざ長旅ご苦労さまー！
ローシュカナ
祭器で毒を盛るなんて、目的は何･･････？
これも、自由の扉が狙っている「国家転覆」のためだというの？
エルレット
あっは、たしかにウチの組織はそんな目標掲げてるけど、正直言って、そういうの興味なくってー。
私はただ、趣味の「イタズラ」を楽しんでるだけ！
この祭器って、扱いに慣れてくると、使える毒の種類も強度も増えるし、ほんと面白いよねぇ！
お姉さんのお友だちは腕のいい癒やし手みたいだけど･･････もう少し練習すれば、簡単には解毒できない強烈なヤツも、使えるようになったしてー！
さてと、イタズラも成功したことだし、そろそろ帰ろーっと！
それじゃあ、またねぇー！
ローシュカナ
待ちなさい！
ウィスルム
くっせぇ！
煙幕もひでえ臭いとか、嫌がらせにもほどがあんだろ！
ゼリグ
ああ、つらい･･････心も体もつらい･･････。
黒衣森の清らかな空気が恋しい･･････。
ウィスルム
おいおい、しっかりしてくれよ相棒！
ヤツらもいなくなったし、依頼人を送り届けてやんねぇと。
護衛の最中だったからよ、俺らはそろそろ出発するわ。
助けてくれて感謝してるぜ、えーっと･･････。
ローシュカナ
ワタシはローシュカナで、こちらはさにすと。
お仕事、がんばってね。
ローシュカナ
彼女たちもさすがに警戒はするだろうから、ここで悪事を続けるとは考えにくいわ。
ひとまず「リムサ･ロミンサ」へ戻りましょうか。
ローシュカナ
おかえりなさい、さにすと。
今回もアナタが同行してくれたおかげで助かったわ。
彼女･･････エルレットは「イタズラ」と言っていたけど、毒を使うなんて度が過ぎてる。
祭器をおもちゃのように扱うなんて･･････故郷の子どもたちのほうが、よほど分別があるわ。
まったく、腹立たしい人たちね。
祭器を取り戻すことはできんかったものの、名前と容姿を把握できたから、格段に追いやすくなるはずよ。
これを手がかりに、また情報を探っておくから、どうかまた、力を貸してね。
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