「急募！旅行公司の新たな仲間」
リープル
うーーん、どうしようかしら。
なかなかいないわよね、条件に合う人･･････。
ういうい、さにすとさん！
ありがたいわ、いつもいてほしいときに来てくれて！
実は、ちょっと困ってることがあってね･･････。
あ、と言っても旅行公司の活動は順調よ。
上流域を観光したお客様からの喜びの声も多くて、この客入りを維持できれば、投資したお金も早々に回収できそう。
問題は･･････まさにその上流域の観光案内が人気すぎて、人手が不足しつつあるってこと。
これは由々しき問題よ、みんなの負担が嵩む前に対処しなきゃ。
さにすとさんは心当たりないかしら、あちらの地理に詳しくて、仕事を求めている人･･････。
さにすと
ハヌハヌたちに頼もう。
リープル
うーん、上流域に詳しいハヌハヌさんは少ないし、そういう人はすでに、がっつり働いてくれてるのよね。
ごめんなさい、ほかに心当たりはいないかしら･･････？
さにすと
モブリンたちに頼もう。
リープル
そうね、そうできたらよかったんだけど･･････。
モブリンさんには、壺匠のお世話っていう本来の仕事があるから、これ以上頼むのはちょっと難しいのよ･･････。
さにすと
そういえば、上流域で盗賊と会ったことが･･････
リープル
ええっ、ウクラマト様の誘拐に加担した盗賊ですって！？
たしかに上流域の土地勘はありそうだけど、うーん･･････
でもそういえば、この前トライヨラで聞いたわね･･････。
継承式の後に一部の盗賊たちが勇連隊に自首して、その後に仮釈放されたって噂を。
もし彼らに過去の罪を償う気持ちがあって、再起を願ってるとしたら･･････。
ええ、心の算盤が言ってるわ！
何はともあれ、まずは話してみろ、ってね。
そのうえで、もし協力できるなら･･････人手不足の解消だけでなく、地域の活性化にも繋がる。
きっと、旅行公司の新たな道も拓けるはずよ！
というわけで、さにすとさんがよければ、私と一緒に、盗賊さんを探してくれないかしら。
ういうい、ありがとう！
それじゃひとまず「朋友の灯火」で情報を集めてみましょうか！
モブリン族の漁師
ほうほう 盗賊の 情報を？
残念 ワガハイ 知らないぞ ここのところの最近は ほとんど平和 釣り三昧ー
･･････ああでも 変なの見かけたな 「奸臣の飾り棚」から ほど近く やつれた釣り人 見かけたなー
派手な髪色 トナワータ族 あれはいったい 誰だろうなー
モブリン族の商人
自首した盗賊 たしかにいたね 彼らのことが知りたいの？
あの子ら もともと コソドロよ。
集落 こっそり 食べ物盗み 以前は迷惑 していたの。
最近 仲間が見かけたとかで とてもびっくりしていたわ。
戻ってきたならちょっとは心配 またまた悪さをしないかと。
捕まったのなら しっかりと 反省更生 そして自活を してほしい。
おばちゃんとしては そう思うモブ―！
ペルペル族の行商人
ういうい、君はコーナ様と共に、盗賊被害の話を聞きに来たひとですね。
今回も、なにかお聞きになりたいことが？
ワーケサ率いる盗賊団のその後、ですか･･････。
たしかに勇連隊に自首したと聞き及んでいます。
なんでも、奴らは溜め込んでいた盗品の在処を、勇連隊に伝えて、返還の意思を示したんだとか･･････。
実際、私のもとにも奪われた品が戻ってきましたよ。
そうした態度を見て、被害者の一部が、減刑を望む嘆願を出したそうでして。
新武王も再起を願って、仮釈放を認めたようです。
今どうしているかまでは知りませんが･･････少なくとも、盗賊稼業に戻ったという噂は聞いていませんね。
それでは、私はオルコ･パチャで商談がございますので、これで。
またどこかでお会いできると嬉しいですな。
―リープル
心当たりはありませんか？
最近、仮釈放されたらしいんですが･･････。
リープル
さにすとさん、どうかしら。
何か情報は聞けた？
自首して盗品を返還したことで、仮釈放された後、この森に戻ってきたらしい･･････と。
でも、悪事を繰り返してはいないのね。
なら目撃情報があった南の方へ行ってみましょう！
もしかしたら、その盗賊団を率いる人･････ワーケサさんと遭遇できるかも。
ーリープル
自分で言いだしておいてなんだけど、ちょっと怖いのは事実だわ。
でも大丈夫、さにすとさんがいるから！
ワーケサ
チクショウ、また何も釣れなかった。
木の実だけで食いつなぐのも限界だし、これからどうすりゃ･･････。
ヒィィィィィッ･･････！？
てめぇは、いつぞやのやべぇ冒険者･･････！？
今更、何しに来やがった！
俺は、あの後に自首して盗品も返したんだ！
悪事も働いてねえし、もう用はねえはずだろうが･･････！
さにすと
悪くない話がある、お前に。
ワーケサ
ヒィィ、信用できるか！
大方、王女誘拐の件で報復にきたんだろうか！？
リープル
さにすとさんの言うとおり、私たちはあなたに、商談を持ちかけにきただけよ。
･･････私の名前はリープル、よろしくね。
単刀直入に聞くわ、ワーケサさん。
あなたたちに罪を償って、人生をやり直す気があるなら、ウチで･･････トラル旅行公司で働いてみない？
ワーケサ
はっ、働くだぁ！？
わかったぞ･･････さてはお前ら、俺たちを騙して、鉱山に連れ戻そうっていうんだな！？
そうはいくか！
必死こいてヨカ・トラルまで逃げたんだ。
二度とあんなところにゃ戻らねえ、戻らねえぞ･･････！
リープル
えっ、ちょ･･････！
リープル
まさかの反応にびっくりしちゃったけど･･････あの様子、普通じゃなかったわね。
鉱山に連れ戻すって･･････なんだろう。
ねえ、さにすとさん、私、この際だからあの人の事情を聞いてみたい。
そして誤解を解いたうえで、きちんと話をしてみたいの。
私は大丈夫だから、ワーケサさんを連れてきてもらってもいい？
逃げ足、だいぶ速かったけど･･････きっと追いつけるはず、あなたなら！
―リープル
ごめんね、お手間をかけさせちゃうけど、ワーケサさんを、ここに連れてきてもらってもいい･･････？
きっとまだ遠くへは行ってないだろうから！
ワーケサ
ゼェ･･････ゼェ･･････ここまで逃げりゃ、いくらあいつだって、簡単に見つけ出せやしねえだろ･･････。
ヒギィャァァァァ！
出たァァァァァッ！？
嘘だろ、全力で走ったのに、もう追いついたってのか･･････！？
チクショウ、とても逃げられねえ･･････もう、おしめえだ･･････。
なあ･･････頼むよ、悪かった、このとおりだ。
俺たちは捕まったとき、二度と悪事をしねえと誓った･･････今後も迷惑かけねえよう日陰で生きてくから、見逃してくれ･･････！
誤解があるから話をさせろ･･････か。
どのみち、あがいてもお前からは逃げられなさそうだしな･･････わかったよ、観念してさっきのところに戻ろうじゃねえか。
―ワーケサ
逃げる気はもうねえよ。
話があるってんなら、聞こうじゃねえか。
リープル
ワーケサさん、怖がらせちゃってごめんなさい。
そんなつもりじゃなかったんだけど･･････よければ教えてもらえないかしら、なぜ働くと聞いて逃げたのか。
ワーケサ
その前に、確認させてくれ。
お前らは本当に、俺たちを鉱山に連れ戻そうとしてるわけじゃないんだな？
そうか、なら･･････。
実を言うとな、俺たちの一団は、サカ･トラルの悪徳鉱山主のところから、こっちへ逃げてきた連中の集まりなんだ。
数年前に青燐水が発見されて以来、シャーローニ荒野がにわかに活気づいたのを知ってるだろ？
だが、採掘権を手に入れた鉱山主には、貧村のガキまで酷使して一発当てようなんて糞野郎もいたわけだ。
･･････俺たちの雇い主みてえにな。
このままじゃ、命さえ危ねぇ。
我慢と疲れが限界に達した俺らは、弱った仲間と一緒に、青燐水用の樽に隠れてトライヨラへと逃げ出した。
あとは、想像できるだろう。
鉱山主が出した追っ手を逃れてコザマル･カに渡り、このへんで盗賊に身やつして生きてきたわけさ。
生き残るためなら、悪事だろうと何でもやる。
そのつもりだったが、武王が継承式で俺たちを気遣っていたと、風の便りで聞いて･･････自首することを決めたんだ。
ついこの間、恩赦がくだって仮釈放されたが･･････相変わらず鉱山主に追われる恐怖だけは消えなくてよ。
逃げたのは、それが理由だ。
リープル
･･････話してくれて、ありがとう。
ワーケサさんが抱えてきた事情を知れて良かったわ。
だったら、安心して生きてもらうためにも、あらためて提案させてほしい。
ウチで･･････トラル旅行公司で働いてみる気はない？
ワーケサ
そ、それは･･････願ってもないことだが、表立って働いているのが知れたら鉱山主がどう出るか･･････。
追っ手が来たら、あんたらにも迷惑がかかっちまう！
リープル
ちょっと調べてみるけれど、それはきっと大丈夫だと思うわ。
シャーローニ荒野は、自警隊や荒野の夜明け団の活躍で、情勢が変わってきているはずだから。
それに、私から理の院に打診して、盗賊たちの社会復帰に支援を願ってみようと思うのよ。
新しい連王様たちは、きっと手助けしてくれるはず！
ワーケサ
わかった･･････というより、こちらから頼む。
もとより、俺たちには選択肢なんざ残されちゃいねえんだ。
働かせてくれや、トラル旅行公司でよ！
だが、何をすりゃいいんだ？
俺らにできるのは力仕事か、この辺りの案内･･････あとは俺の場合、鉱山の炊事場で長年叩き込まれた調理くらいだぞ。
リープル
調理、いいわね！
専門的な技術があるのなら、お食事処を作ってもよさそう･･････観光の、新しいウリになるもの。
それからお仲間さんには、ちゃんと人柄を見て訓練もしたうえで、護衛も兼ねた、お客様の案内役をお任せできると嬉しいわ。
上流域の地理に詳しくて強い人を探してたから、ぜひ！
なんにせよ、私たちは戻って準備を進めてないとね。
ワーケサさんはまず、お仲間さんに伝えてもらってもいいかしら、そのあとで合流しましょう、ポガ停泊所の事業所で！
―ワーケサ
まっとに働く･･････仲間も俺も、きっとこれが最後の機会なんだろうさ。
そういうのは、なんとなくわかるもんだ。
リープル
おかえりなさいさんしうとさん！
理の院に問い合わせてみたんだけど、ワーケサさんたちの抱えていた懸念、やっぱり大丈夫みたい。
青燐水の採掘地をめぐる状況は、ここ数年で一変した。
子どもの過度な労働に反対して「荒野の夜明け団」ができたり、銃を使った決闘の混乱を抑止するために「自警隊」ができたりね。
それで･･････件の悪徳鉱山主の会社は、真っ先に荒野の夜明け団に潰されてたのよ。
もちろん、理の院もシャーローニ荒野の治安回復のために、悪徳鉱山主には常に目を光らせているんだって、だからワーケサさん、あなたたちは働けるわ、誰の目も気にせず！
ワーケサ
ありがてぇ･･････！
そうとなったら全力で働かせてもらうぜ！
んで、盗賊稼業で迷惑をかけちまった人らにも、給料から弁償して、罪滅ぼしさせてもらおうじゃねぇか！
リープル
ういうい、その意気だわ！
今後とも、よろしくね！
リープルとさにすとの尽力により、ワーケサとその仲間たちが「トラル旅行公司」に加入した！
上流域の案内役不足は、これで解消されるだろう。
さらには「トラル旅行公司」の施設にお食事処が増設され、訪れた観光客に、より本格的な料理を提供できるようになった。
この調子で、今後も旅行公司を盛り立てていこう！
―リープル
私はただの商人で、罪をどうこうする立場にはない。
けど本人にやり直す意思と力があるなら、余計な偏見でそれを潰すのは合理的じゃないとも思うわ。
だから私、ワーケサさんたちを信じることにしたの。
･･････これでも意外と、人を見る目はあるのよ？
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