賢人ルイゾワのクエストです。
「希望が届けた未来」
ストーリーテキスト
ナナンジ
取材に付き合ってくれるんだね、ありがとう!それじゃあ、溺れた海豚亭で軽く打ち合わせをしようか。
おかげで取材の成果は上々だ。文献にも載ってないような、貴重な話が聞けてよかった。
ところで・・・・・・君は彼らの話を聞いて、賢人ルイゾワのことをどう思った?
リフィル
優れた指導者だと感じた。
ナナンジ
そうだね、すばらしい指導力だ。深い知識と柔軟な発想で策を練ったことに加え、それを実行する体制を作り上げたんだから。
僕が特に感銘を受けたのは、証言者たちが皆一様に、各国協力の道筋を示したことを感謝していた点さ。その姿勢こそが未来を紡いだ、って。
でも同時に、それを知ったからこそ新たな疑問が浮かんだんだ。事態に対応する体制を作り、軍師として策を練ったのなら、本来は異邦の人であるルイゾワは、十分この地に貢献したはず。
なのにどうして、彼は最前線で命を賭(と9し続けられたんだろう?もちろん、秘儀を成就させられるのが彼だけだとか、責任感とか、そういう理由があるのはわかるよ、わかるけど・・・・・・。
「助けられる人が目の前にいるときに、我が身を案じて助けぬというのは怠惰というもの」とは言っても、自分が命を落としちゃ仕方ないじゃないか・・・・・・。
だから僕は、せめて、ルイゾワがどんな思いでカルテノーに臨んだのかを知りたい。伝記を書くなら、それは欠かせないことのような気がするんだよ。
それで、もしカルテノーで賢人ルイゾワの近くに誰かがいたら、最後に何か言葉を交わしたかもしれないと思ったんだ。けど、うーん、今からそんな人を探すのは難しいよなあ・・・・・・!
バデロン
よう、お前さんたちの話が聞こえてきたんだが・・・・・・カルテノーでルイゾワを護衛した兵なら知ってるぞ。
ナナンジ
ルイゾワの、護衛兵!?え、そんな人がいたんですか?
バデロン
ああ、奴さんも別に秘密にしていなかったはずだ。ただまあ・・・・・・念のため、情報を何に使うかは教えてもらいたい。
ほう、賢人ルイゾワの伝記ね・・・・・・そりゃ面白い。そういうことなら、あいつはむしろ協力を申し出るかもしれんな。
護衛を務めた男の名は「オルン・グインカム中甲士」。元黒渦団のミッドランダー、霊災後に冒険者になった変わり種さ。より民衆に近しい立場から人の助けになりたかったそうだ。
ナナンジ
元黒渦団将校の冒険者・・・・・・ぜひ話を聞いてみたい!その人は、いまどこに?
バデロン
お前さんたち、本当にツイてるな・・・・・・オルンはちょうどつい先日、ここに寄ったんだ。これから、モラビー造船廠へ行くとか話してたっけかな。
ナナンジ
貴重な情報、ありがとうございます!
リフィル、このチャンスは逃せない。さっそく「モラビー造船廠」へ行ってみよう・・・・・・!
ナナンジ
さて、オルンさんは・・・・・・うーん、それらしい人は見当たらないなぁ。だけど簡単に諦めるわけにもいかないぞ。
リフィル、手分けして、オルンさんを見かけた人がいないか聞き込みしてみよう。何かわかったら、またこのあたりで合流しようか。
よろず屋の店番
ごめんなさいね。よろず屋の仕事を手伝いはじめたのは最近だから、あんまり、お客さんの名前とか知らないのよ。
でも、オルンさんって人かどうかはわからないけど、冒険者らしい男性ならついさっきも見たわ。お試しで仕入れたニメーヤリリーのお花を買ってくれたの。
―よろず屋の店番
オルンさんって人かどうかはわからないけれど、ニメーヤリリーを買っていった男性は見たわよ。どこかにお供えしてるんじゃないかしらね。
荷運びのルガディン族
オルンさんなら、少し前に会ったよ。久しぶりに見かけたから挨拶してみたんだけど、そうしたら花を売っている店はないかってきかれたんだ。
だから、よろず屋を紹介したんだが・・・・・・今どこにいるかまではわからんわ、すまん。
―荷運びのルガディン族
オルンさん、霊災後は各地の復興に協力してたんだと、わざわざ地味な労働を買って出るなんて、なんだか頭が下がるよな・・・・・・。
古株の船大工
オルン・グインカム・・・・・・?すまんが、そんな名の知人はいないよ。
知人以外で見かけたのは、ニメーヤの秘石近くですれ違った男くらいだな。花を持っていたから印象に残ってるんだ。
ナナンジ
あ、リフィル、どうだった?
ふむふむ・・・・・・君が聞いてきた情報を総合すると、オルンさんらしき男性は、ニメーヤリリーを買ったようだね。そして、ニメーヤの秘石の方へ向かったと・・・・・・。
よし、僕らも行ってみよう。今すぐ向かえば、会えるかもしれない!
―ナナンジ
花を買ったのがついさっきなら、この辺りにいる可能性もあるはずだけど・・・・・・。
ナナンジ
失礼・・・・・・オルン・グインカム中甲士でしょうか?
オルン・グインカム
すでに黒渦団は退役(たいえき)しているが・・・・・・たしかに、私がオルンだ。
それで・・・・・・君たちは?
ナナンジ
唐突にすみません、実は・・・・・・
オルン・グインカム
なるほど・・・・・・ルイゾワ様の伝記を書くため、カルテノーで近くにいた私に戦場での様子を聞きたい、と。
これも何かの因果であろうな・・・・・・光の戦士の如しと言われ、マーチ・オブ・アルコンズ作戦でも活躍した英雄殿にならば、喜んでお伝えしましょうぞ。
さて、何から話したものか・・・・・・
・・・・・・あの戦いは、ダラガブの予想落下地点を巡って争われた。当初は一進一退が続いたが、帝国側の魔導アーマー投入により、エオルゼア同盟軍の戦列が乱されてね。
ダラガブを押し返すべく術式の展開を急ぐルイゾワ様と、護衛たる我々は、混乱する前線を見ていることしかできなかった。冒険者部隊の活躍は免れたものの、被害は甚大・・・・・・。
だが、本当の惨劇はそのあとだった。巨大な破片を堕としながらダラガブが地上に迫り・・・・・・そして、黒き龍の蛮神・・・・・・バハムートが現れたのだ。
誰もが戦いを忘れて立ちすくむ中、ヤツは上空を飛翔し、大地に爆炎を撒き散らした。人が虫のように吹き飛び燃えていく様に、私は慄(おのの)いたよ。
しかし、震えあがっていたところに、鋭い声が響いた。「死にとらわれるな、もはや護衛は不要、逃げよ!」とね。言うまでもなく、ルイゾワ様の声だ。
私は踏みとどまろうとした・・・・・・だってそうだろう?戦場で仲間とともに戦えなかった私にとって、あの方の護衛こそが、命に代えても果たすべき使命なのだから。
しかし、ルイゾワ様は静かに笑ってこう言ったのだ。「命を懸けるというなら、わしの志を護ってはくれんか」とな。
「人そのものが灯であり、人が己の意思で切り開く未来こそ希望。わしは、ひとつでも多くの希望を残したい。ゆえにどうか諦めず、生きるためにこそ足掻いてほしい」
その言葉を聞いて、私は仲間とともに撤退を開始したよ。この矮小(わいしょう)な命を繋げることをあの方が希望と言ってくれるのなら、恥だろうと何だろうと絶対に生き延びてやると、そう思ったのだ。
だが、そうこうするうちに背後で爆発が起こり、私たちは岩場に吹き飛ばされた。
どうにか起き上がった私が見たのは、ルイゾワ様がおられた丘に迫る、黒き龍の影・・・・・・。その後、何らかの魔法が発動し、あの方は光に呑まれていった。
ナナンジ
それが、賢人ルイゾワの最期・・・・・・。
オルン・グインカム
光の中、ルイゾワ様は微笑んでいたようにも見えた。その意味は、私のような凡夫には計り知れないが・・・・・・我々が生き延びられたのは、あの方のおかげだと確信している。
ナナンジ
ふむ・・・・・・賢人ルイゾワが「神降ろし」の秘術でバハムートを退け、再生の奇跡を起こしたという説が霊災後に発表されましたが・・・・・・あなたも、それが事実と信じておられるのです?
・・・・・・人そのものが灯、自らの意思で切り開く未来こそが希望、か。
リフィル、僕は改めて実感したよ。ルイゾワは物語の大賢者のような万能の救世主じゃなく、ただのひとりの人間だったんだって。
けれどその人は、決してエオルゼアを見捨てなかった。彼や多くの人たちが懸命に霊災に抗い続けなければ、この地は本当に焦土となっていただろう。
彼らは、あらゆる悪意に抗って道を切りひらいたんだ。・・・・・・だからこそ、その先の未来で、僕は賢人ルイゾワの物語を知ることができた。
なら・・・・・・僕にできるのは、その物語を伝えることだと思う。命を守ること、生きて未来を紡ぐことこそが、希望なのだとね。
オルンさん、本当にありがとうございました!あなたの証言のおかげで、伝記の芯となるものが掴めたように思います!
オルン・グインカム
よければ、君たちも運命の女神ニメーヤに祈っていかないか?ルイゾワ様が遺(のこ)した希望が、さらなる未来へと繋がるようにね。
―オルン・グインカム
霊災後、エオルゼアのそこかしこに深い傷跡が残り、復興には多くの人手が必要となった。
双蛇党に救助された私は、せめてルイゾワ様の志を継ぐべく、軍務に縛られず市井(しせい)の人を助けられるよう冒険者となったのだ。君の噂は聞いている・・・・・・今回のこと、伝えられてよかったよ。
ナナンジ
オルンさん、お話を聞かせていただき、本当にありがとうございました。
オルン・グインカム
いや、私こそ、ルイゾワ様の言葉を伝えられてよかったよ。
人の死にまつわることゆえ、好んで語ってはこなかったが・・・・・・たしかに、私だけの記憶として墓にもっていくには忍びない。あの方の想いが伝記として広く知られるのなら、なによりだ。
さて、私は秘石巡礼の途中ゆえ、ここで失礼させてもらおう。・・・・・・世界の片隅から、君たちの旅の無事を願っているよ。
ナナンジ
旅の無事を願う・・・・・・ニメーヤリリーの花言葉だっけ。未来への道を繋いだルイゾワも、同じ気持ちで誰かを想ったりしたのかな?
とにかく、今回の取材は大収穫の大成功だ。僕らもウルダハに戻ろう、報酬を用意して、「不滅隊:作戦本部前」で待ってるよ。
ナナンジ
やあリフィル、おかえり。長々と付き合わせちゃったけど、おかげで、とても充実した取材ができた。
当時を知る人たちの生の声が聞けたのは、実に幸運だったね。まだまだ知りたいことは多いけれど・・・・・・伝記の核となる要素は、おさえられたと思ってるよ。
それに、これまで感じていた、「救済」への違和感も少しだけ拭(ぬぐ)えた気がする。
ルイゾワも冒険者もグランドカンパニーの人たちも、ただ未来で希望を繋ぐため戦った。皆、必死で・・・・・・だからこそ今があると、実感できたからかもね。
それで・・・・・・最後に、君の意見を聞きたいんだ。
オルン殿が証言してくれた、ルイゾワの最期の表情。あのとき彼は何を考え、何を想っていたんだろう・・・・・・君は、どう思う。
リフィル
未来に生きる人の姿。
ナナンジ
なるほど・・・・・・たしかに、そうかもしれないね。その言葉を忘れずに、筆を執らせてもらうよ。
じゃ、少し名残惜しいけれど、ここでお別れだ。僕は必ず、ルイゾワの伝記を上梓(じょうし)してみせるよ、食材を見守ってくれて、本当にありがとう!
解説
わかりづらい言葉
本文内で青色に塗った言葉についての補足です。
ナナンジ
なるほど・・・・・・たしかに、そうかもしれないね。その言葉を忘れずに、筆を執らせてもらうよ。
じゃ、少し名残惜しいけれど、ここでお別れだ。僕は必ず、ルイゾワの伝記を上梓(じょうし)してみせるよ、食材を見守ってくれて、本当にありがとう
上梓(じょうし):図書を出版すること
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