「人間の限界」

テントーワ
ああ、さにすと。
オレの力は、少しずつだけど戻ってきてるぞ。
でも、元どおりじゃ足りない。
前よりも強くなって、今度こそレオフィーヌを捕まえてやる。
ローデニケ
ねえねえ、「自由の扉」っていう連中は、世界中でいろんな国を相手に戦いを仕掛けてるんでしょ?
それなのに、レオフィーヌはどうして、イシュガルドの中でも、神殿騎士団だけで狙ってるの?
それは、アイツが元神殿騎士だから、彼らの行動を読めるんじゃないかって話だったよな。
だったら、こっちもレオフィーヌのことを知るべきじゃない?
彼女の行動を読めるようになれば、後手に回ることもなくなるはず。
テントーワ
って言われても、どうしたらいいんだ?
フィルマルベルに効くのか。
ローデニケ
彼にはもう聞いたよ。
そしたら、レオフィーヌのことは、同じ隊にいた人の方が詳しいって言ってた。
何人かは交代で街の整備をしてるらしく、その場所を教えてくれたんだ。
テントーワ
へー、やるじゃないか、ローデニケ!
ローデニケ
こんなに長く起きてることなんてなかったから。
何かしてないと、眠くなっちゃいそうで。
テントーワ
それじゃ、後はこっちに任せてちょっと休んでくれよ。
オレが寝てる間、オマエにも迷惑かけちゃったからな。
ローデニケ
そうは言っても・・・・・・テントーワだってイシュガルドのこと、よく知らないでしょ?
話しを聞いても、ピンと来ないんじゃ・・・・・・。
そうだ、さにすと。
キミも一緒に話を聞いてきてくれないかな?
ありがとう!
それじゃ、話を聞かせてくれそうな人の場所を教えておくね。
―ローデニケ
同じ神殿騎士団の中でも、皆が皆、顔見知りってわけでもないんだね。
ここには本当にたくさんの人がいるんだなぁ。
テントーワ
レオフィーヌと同じ部隊だった騎士たちか・・・・・・あんなヤツと一緒に働くなんて想像もできないや。
けど、そういうことを知っておけば、アイツの考えてが読め、先回りができるかも。
早速、過去を知る神殿騎士たちに話しを聞きにいこう!
―テントーワ
神殿騎士って、この街全部を護るのが役目なんだろ?
さすがにこの広さをひとりじゃ無理だよなー。
信頼できる仲間だけで固められるならともかく、現実には、レオフィーヌみたいなヤツが必ず紛れこむ。
うちの部族みたいに、サカ・トラルの端で、ひっそりと過ごすのが安全だって言いたかったけれど・・・・・・どうするのが一番なんだろう?
―ローデニケ
同じ神殿騎士団の中でも、皆が皆、顔見知りってわけでもないんだね。
ここには本当にたくさんの人がいるんだなぁ。
物腰柔らかな神殿騎士
これは英雄殿。
私に何か御用でしょうか?
レオフィーヌですか・・・・・・。
意外かもしれませんが、彼女は貴族の家柄の生まれで、自分のように平民出身の騎士とはまるで異なる経歴の持ち主。
ですが、常々、自分を縛りつけるイシュガルドの伝説や、貴族の責任にまつわる因習を疎んじる発言をしていました。
彼女が自由を愛するのは、そういう事情があってのこと。
素行の悪さから不名誉除隊となり、爵位も剥奪されましたが、それはむしろ彼女の望むところだったのでしょう。
テントーワ
従うのがイヤなら、出てけばいいだけだからな。
物腰柔らかな神殿騎士
現在は反国家活動に従事しているそうですね。
彼女のような身勝手な人間を束ねているリーダーとは、いったいどんな人物なのか・・・・・・?
―物腰柔らかな神殿騎士
誰も彼もが勝手に振る舞えば、必ず他者の自由を侵害します。
そうならぬよう規律で各人の権利を保障しているというのに、なぜ極端な思想に傾倒するのか・・・・・・理解に苦しみます。
他者に眠気を移すことは、不自由を強いているに等しい。
己がもっとも忌み嫌うことを率先してやっているあたり、自分さえよければいいのだ、という下劣さが透けて見えますね。
眼光鋭い神殿騎士
む、私に何か?
警備任務中につき、用がないのであれば、私語は控えたいのだが・・・・・・。
ふむ・・・・・・レオフィーヌが放逐されたきっかけが、ある任務中の失態にあったことは知っているか?
彼奴の短剣の技量や騎乗術は皆が一目置くところ。
しかし素行が悪く、夜も休まずに賭け事に興じていたせいか、あるとき、護衛任務中に居眠りをしおったのだ。
その隙にドラゴン族の襲撃を受け、護るべき民が犠牲に・・・・・・。
許しがたき利敵行為として断罪され、爵位剥奪、除隊となった。
テントーワ
それって・・・・・・今起きてる事件と、まるっきり同じじゃないか!
眼光鋭い神殿騎士
そういう経緯から、おそらく彼奴は睡眠というものを、ある種の喪失や恐怖の象徴だと考えているのだろう。
だから我らに押しつけようとしているのだ。
同時に、睡眠を克服し、自由に操れるようになった自分を、全能者か何かだと思っているのではないか。
私はそう思う。
―眼光鋭い神殿騎士
護り手であれば、休養の重要性が理解できるはず。
それなのに、夜通し遊ぶために睡眠を拒絶するとは・・・・・・まったく、馬鹿げている。
「聖レネットの像」について
テントーワ
イシュガルドの人達は、戦いの神様を信仰してるんだろ?
それなのに、ただの人間の石像も祀ってるって、不思議な気がするんだよなー。
うちの部族じゃ、死んだ人間の霊が迷い出ないよう、絵を描いたり像を造ったりして、集落に飾ることはしない。
唯一の例外が、イッカクの祭器だ。
これまでにも偉大な「眠らずの勇士」はたくさんいたけど、それは全部祭器のおかげ。
だから、イッカクへの感謝を表すためにも、ほかの誰の姿も残すべきじゃない。
部族が未来に続いてるなら、それだけで十分だよ。
活発な神殿騎士
こちらは異状ありません!
・・・・・・が、何か御用でしょうか?
・・・・・・レオフィーヌについては、悪名だけが知られていますが、なかなかの策士であったのも事実。
戦果をあげるためならば、地道な下準備も厭わぬ性格でした。
テントーワ
アイツは、コッカテンプクってやつのために、具体的に何をしようとしているんだ?
活発な神殿騎士
連中の規模を考えると、全面攻撃を仕掛けてくるとは思えません。
おそらく、国家の威信を揺らがせることで、連鎖的に混乱を巻き起こすようなやり方ではないかと。
たとえば・・・・・・近く我々が予定している、バヌバヌ族の氏族「大らかなズンド」に対する表敬訪問。
それが狙われる危険性が指摘されています。
ファルコンネストでの記念式典のように、反対勢力に利用され、争いの火種となった例もありますので・・・・・・本部のアンドゥルー卿が、開催の是非を慎重に検討中です。
テントーワ
聞ける話は、大体こんなところか・・・・・・。
なんだか小難しい話ばっかりだったけど、結局レオフィーヌはクズだってことでいいか?
さにすと
それだけに、次の行動が読めそうだ。
テントーワ
ああ、どんなデカいことを計画してるにせよ、神殿騎士を眠らせて、連中の失態にする・・・・・・それだけは間違いない。
さっきの話じゃ、ズンド族へのヒョーケーホーモン?ってのが狙われる可能性があるんだろ?
そこまでわかってるなら、むしろ利用すべきだ。
皆で協力すれば、レオフィーヌをワナにかけることもできるはず。
よーっし、それじゃ神殿騎士団本部にいる、「アンドゥルー」って人に相談してみよう!
―活発な神殿騎士
ズンド族への表敬訪問については、神殿騎士団本部にいる、アンドゥルー卿が取り仕切っています。
詳しくはあの方にお尋ねください。
アンドゥルー
おお、さにすと殿。
レオフィーヌの件は聞いているぞ。
そちらが、トラル大陸から来たというテントーワ殿だな。
もう、身体は大丈夫なのか?
テントーワ
ああ、バッチリだ!
ここで寝かせてもらっちゃってゴメン。
アンドゥルー
気にしないでくれ。
神殿騎士たちをレオフィーヌから庇ってのことだ、総長に代わり、感謝する!
さて、私に相談があるとのことだが、聞かせてもらおうか?
なんと、ズンド族への表敬訪問の件であったか!
まさにそのことで悩んでいたところなのだ。
皇都防衛を担う神殿騎士団にとって、近隣部族との友好関係は重要事項のひとつ。
ならば、互いに使者を立て、文化交流をしながら、とこしえに続く絆を結ぼうではないか・・・・・・。
そう、ズンド族の長老ソヌバヌ殿と約束を交わしていてな。
だが、我々の動向がレオフィーヌに読まれている以上、訪問は挙行できない。
先方に被害が出れば、交流が完全に逆効果となるからだ。
それにヤツがすでにこの件を嗅ぎつけていないともかぎらない。
安全が確保できるまでは、延期すべきであろう・・・・・・。
さにすと
レオフィーヌをおびきだすチャンスでもある。
テントーワ
オレとさにすとが責任をもって皆を護る!
それに、ズンド族ってのとも、先に相談しておけば、襲われたところで関係がマズくなることもないんじゃないか?
仲間なら、きっと信頼してくれるはず。
だから中止にせず、レオフィーヌをおびきだそう!
アンドゥルー
仲間なら信頼してくれるはず、か・・・・・・。
なるほど、君の言うとおりだ。
ズンド族であれば、必ずやこちらの苦境に協力してくれるだろう。
そもそも、かの種族との親交が結ばれた経緯には、英雄が運神を鎮めたことが関係している。
つまり、さにすと殿のおかげ。
その当人が護ると言えば、彼らも疑いはすまい。
もちろん、我々もな。
テントーワ
それじゃあ・・・・・・!
アンドゥルー
神殿騎士団の威信にかけ、反撃に打って出るべきときだな。
共同でのレオフィーヌ討伐作戦の立案を、総長に進言してみよう!
テントーワ
ありがとう!
助かるよ!
アンドゥルー
話しがまとまり次第、すぐに報せよう。
それまでは、待機していてほしい。
―アンドゥルー
表敬訪問の件は緊急の議題として関係者を招集中だ。
決定が下るまで、もうしばらく待ってほしい。
―ローデニケ
レオフィーヌのこと、テントーワから聞いたよ。
眠ることを束縛と感じるって気持ちは、ワタシにもちょっとわかる・・・・・・。
けど、人間の活動には限りがあるからこそ、一分一秒に意味があると思う。
だからワタシは、皆との時間を大事にしたいな。
テントーワ
そういえば、全然知らないまま適当に進めちゃったけど・・・・・・ズンド族ってどんな連中なんだ?
さにすと
モフモフした鳥みたいな種族
テントーワ
あー、アイツらのことか!
そっちにもいるんだなー。
あのさ・・・・・・オレ、こっちに来てすっごく驚いたことが、ひとつあるんだよ。
リューシ戦争とかいう、人と竜がずっと争ってて、それから仲直りしたって話。
それを聞いて、世界中がそうやった仲良くなれば、護り手なんて役目も、必要なくなるんじゃないかって思った。
そもそもうちの部族に「眠らずの勇士」がいるのは、魔物だけじゃなく、周辺の集落のことも警戒してるからだ。
だから、どこともロクに交流しようとしないでさ。
今回、大寒波で弱ってるところをつけこまれたこともあって、外に対する警戒感はいよいよ増していくばかり。
でも、それじゃ未来は何も変わらない。
誰も信じず、よそと距離を置いて暮らすんじゃなくて、皆を信じて、ともに仲良く暮らせる日が来れば・・・・・・
・・・・・・なーんて。
さすがに夢見すぎかー?
ローデニケ
ううん・・・・・・とても素敵だと思うよ。
テントーワ
んじゃ、決戦に備えて鍛錬するかー!
オマエもしっかりと休んでおいてくれ。
万が一、大事なときに眠っちゃったら、オレがブッ叩いて起こすからな!
―ローデニケ
テントーワの調子も、また上向いてきたみたいだね。
こうでなくっちゃ!
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