「すべての起こりは「石」」
プリッシュ
あらためて、教えてくれよ?
おまえらの名前をさ。
さにすととバクージャジャってんだな。
よろしく頼むぜ。
んー?
おまえ、見覚えのない種族の冒険者だな・・・・・・。
珍しいってよく言われねェか?
戦のバクージャジャ
んなことよりも、なんで嬢ちゃんはオレサマたちを襲ったんだ?
こっちは危うく殺されかけたぜ。
プリッシュ
襲ったって・・・・・・何の話だ?
魔のバクージャジャ
とぼけないでくれるかい?
キミはオイラたちを「魔物」呼ばわりしたあげく、割って入った甲冑師の男をぶん殴っていたじゃないか。
プリッシュ
魔物・・・・・・たしかに、さっきまで魔物と戦ってたことは覚えてるけどよ。
それは「ウルミア」を守るためで・・・・・・。
魔のバクージャジャ
ウルミア・・・・・・?
ふーん・・・・・・ウルミアというのは、お嬢ちゃんの友達の名なんだね。
けど、どうしてグルージャジャ様の幻影をその名で・・・・・・。
そういえば・・・・・・幻影を紡ぐ呪法は、人を欺くための魔法を発展させたものだって聞いたことあるし。
相手が呪法の使い手なら、幻影魔法も扱えても不思議じゃない。
戦のバクージャジャ
つまりだ、弟よ。
オレサマたちが魔物に、前連王の幻影がダチに見えるように、嬢ちゃんは幻惑魔法をかけられてたってことか。
プリッシュ
あのウルミアが錯覚だって・・・・・・?
けど、そういえば・・・・・・誰かに「あなたの大切な存在を守るのです」とか、言われたような・・・・・・
だんだん思い出してきたぞ!
そいつは、バクージャジャの青い方の頭に似たやつで、見たこともねぇ、武器を与えられたんだ!
魔のバクージャジャ
オイラに似たマムージャ族・・・・・・?
プリッシュ
普段の俺なら、戦いのときはこの拳しか使わねぇ。
使い慣れてねぇ武器を、ホイホイ受け入れちまったのも、幻惑されてたからってことか・・・・・・!
ま、何にしても、このわけのわからねぇ状況に、ウルミアが巻きこまれてなくてよかったぜ。
魔のバクージャジャ
キミが「ウルミア」と呼んでた相手・・・・・・グルージャジャ様の幻影がどこへ行ったのかは知ってるかい?
プリッシュ
いや・・・・・・悪いがわからねぇ。
「ジュノ」に着いたときには、俺ひとりだったんだ。
魔のバクージャジャ
ジュノ・・・・・・それがこの街の名かい?
プリッシュ
だけど、ここは俺が知ってるジュノじゃねぇな。
あんな影みたいなの、見たこともねぇし。
俺らと同じ人間の姿をしたやつも、少しはいるみてぇだな・・・・・・。
よし、一度あいつらに話を聞いてみようぜ。
魔のバクージャジャ
グルージャジャ様の幻影の行方もわかってないし、オイラたちはここで、空間の裂け目を見張っておくよォ。
ふたりは、この街を調べて回ってくれるかい?
ひととおり見終わったら、ここに戻ってきてねェ。
―魔のバクージャジャ
この街を調べるのは、キミとお嬢ちゃんに任せたよォ。
プリッシュ
んじゃさっそく、人間の姿をしたやつらから話を聞きながら、ジュノを見て回ってみようぜ。
知り合いがいるかもしれねぇから、「天晶堂」にも寄ってみっか。
噴水の向かいにある建物に入って、一番奥の扉さ。
―プリッシュ
ジュノに来たことは、俺も数えるほどしかねぇ。
身を隠すはめになったり、ぶっ倒れちまったり、まぁまぁ面倒なこともあったりして・・・・・・。
ま、でもけっこー楽しかったんだぜ。
いろんなやつらと出会えたりもしたしさ。
エルヴァーン族の冒険者
あなたがたは・・・・・・。
実は、私もおふたりに話を聞きたいと思っていたのですよ。
さきほど、頭がふたつあるマムージャ族と話していましたよね?
あれは奴らを率いる僭主グルージャジャなのでは・・・・・・?
そもそもマムージャ族は「エラジア大陸」に棲まう獣人のはず。
まさか、アトルガン皇国を攻め落として、ジュノに侵攻してきたとでも!?
プリッシュ
あー、詳しいことは俺にもわからねぇんだけどさ、あそこにいるマムージャ族は、僭主ってやつじゃねぇらしい。
敵でもねぇから、心配すんな!
こいつらも、この状況に混乱してるみてぇだな。
―エルヴァーン族の冒険者
アトルガン皇国が心配だ・・・・・・私が敬愛する水蛇将ミリ・アリアポー様は無事なのだろうか・・・・・・。
―窓口の近くに立つ影
私・・・・・・競売・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・質問・・・・・・・・・・・・?
巨万の富・・・・・・夢では・・・・・・せん。
「謎の窓口」について
プリッシュ
ここは競売所だよな?
冒険者たちが物を売り買いするのに使うっていう。
でも・・・・・・機能はしてねぇみたいだが、どうなってるんだ・・・・・・?
おまえ、冒険者なんだろ?
ここの競売所では、いろんな商品が出品されるから、ジュノが元通りになったら、じゃんじゃん使うといいぜ!
ヒューム族の冒険者
あなた、ずいぶんキョロキョロしながら歩いてますね。
ここ、「ジュノ大公国」には初めて来たんですか?
なら教えてあげますよ。
ジュノはふたつの大陸を繋ぐ、「ヘブンズブリッジ」という巨大な橋の上にある都市です。
橋の上には、港、下層、上層の区画が重なって・・・・・・。
それから、ジュノを治める大公が住まう、「ル・ルデの庭」が最上層にありましてね。
しかし、ジュノがおかしくなってからというもの、変な壁ができてたり、橋が崩れて崖みたいになってたりしていて、我々は、ここ下層から出られないようなのです。
プリッシュ
ほかの階層に行けなくなってるのか・・・・・・。
やっぱ、このジュノに何かが起こってるのは間違いねぇみたいだ。
―ヒューム族の冒険者
テレポで移動しようにも、上手くいかなくて・・・・・・。
いったい何が起こっているんでしょうか。
―寂しげに佇む影
・・・・・・にちは!
パーティは・・・・・・ですか?
編成・・・・・・暗・・・・・・侍・・・・・・竜・・・・・・
「封鎖された扉」について
プリッシュ
あれ!?
通れなくなってやがる・・・・・・。
本当ならこの先に、冒険者たちが拠点にしている「モグハウス」とか、別の階層に行くための階段があるんだ。
ま、塞がれてるならしょうがねぇ。
別のところに行こうぜ。
ミスラ族の冒険者
見覚えのない種族のきみ、もしかして冒険者?
どこの国の所属にゃ?
グリダニア・・・・・・?
そんな国、聞いたことないにゃー。
冒険者といったら、「サンドリア王国」、「バストゥーク共和国」、「ウィンダス連邦」の、いずれかの国に属しているはずにゃ。
このおかしなジュノといい、わけがわかんないにゃー。
プリッシュ
おまえの国の名は、俺も聞いたことがねぇな。
でも、どこの出身だろうと関係ねぇさ。
要はそいつを信じられるかどうかだ。
―ミスラ族の冒険者
グリダニア・・・・・・知らない国にゃ。
いつか行ってみたいにゃー。
―小柄な姿の影
はじ・・・・・・て・・・・・・ルル。
・・・・・・相性・・・・・・ています。
タルットカード・・・・・・交換・・・・・・・・・・・・。
―不思議なゴブリン族
オマエ、持ってる「ぼろぼろの譜面」、オレに渡せ。
代わりにオレ、イイモノをやる。
―注文を待つ影
海神楼・・・・・・そ!
・・・・・・なるには・・・・・・紹介状・・・・・・・・・・・・を発行いたします。
プリッシュ
開かねぇのか?
うーん、これじゃアルドにも会えそうにないな・・・・・・。
アルドってのは「天晶堂」っていう、会員制の商業組織のリーダーでさ。
以前、世界の命運に関わる、ある事件にも手を貸してくれたんだ。
さにすと
賢人たちみたいな人だな。
プリッシュ
賢人・・・・・・ってのはよくわからねぇが、頼りになるやつを想像してるなら、間違いないぜ。
ともかく、天晶堂は閉店中ってこったな。
話を聞いたやつらも、異変が起こってることには気づいていても、原因まではわからねぇみたいだったな。
仕方ねぇ、バクージャジャのところに戻ろうぜ。
戦のバクージャジャ
おう、戻ったか。
それで、この状況について何かわかったか?
魔のバクージャジャ
お嬢ちゃんが言ってたとおり、ここがジュノという国なのは間違いないみたいだねェ?
戦のバクージャジャ
けどよ、ジュノにしろ、サンドリア王国にしろ、そんな国、トラル大陸じゃ聞いたことがねェぜ。
プリッシュ
トラル大陸・・・・・・?
何言ってんだ、マムージャ族の苦にがあるのはエラジア大陸・・・・・・。
甲冑姿の男性
プリッシュ、無事だったんだね。
ありがとう、さにすと。
君がいてくれてよかったよ。
プリッシュ
あ、ああ・・・・・・ありがとよ、心配してくれて。
・・・・・・それで、おまえは誰なんだ?
さにすと
知り合いではなかったのか?
プリッシュ
全っ然知らねぇ。
そりゃ、心配してくれるのはありがてぇが・・・・・・。
甲冑姿の男性
私のことを、知らない・・・・・・?
プリッシュ
おまえ、冒険者っぽいけど・・・・・・うーん、やっぱり会ったことないと思うぜ。
ちなみに聞くが、名前はなんて言うんだ?
甲冑姿の男性
名前は、わからない・・・・・・。
戦のバクージャジャ
オマエ、天深きセノーテの辺りで倒れてた男だろ?
めんどくせェから、オレサマが仮の名をくれてやるぜ。
「アルシャール」・・・・・・ひとまずそう名乗れ。
魔のバクージャジャ
マムージャ族の言葉で、あてどなく各地を彷徨う・・・・・・「漂泊者」って意味だよ。
キミたちの感覚でなら冒険者って意味にも取れるかな。
兄者はさすがだね、ピッタリの名前だよ。
甲冑姿の男性
「アルシャール」・・・・・・か。
わかった、そう名乗らせてもらうよ。
アルシャール
しかし、この街はいったい・・・・・・?
プリッシュ
少し様子が違っちゃいるが、ジュノだよ。
おまえも冒険者なのに、知らねぇのか?
アルシャール
ジュノ・・・・・・そうだ・・・・・・。
私は、以前もこの街に来たことある・・・・・・。
戦のバクージャジャ
結局、この街は何なんだ?
それに、オレサマが戦った幻影はどこに行きやがった?
いい加減、わけがわからなさすぎて頭にくるぜ。
聞き覚えのある声
ホッホッホ、随分とお悩みのようですね!
プリッシュ
あっ、あいつ!
俺に幻惑魔法をかけてきたやつだ、間違いねぇ!
戦のバクージャジャ
てめェはサレージャ!
「友の試練」依頼見てねェと思ったが、ブネワの腰巾着が、どうしてここにいやがる・・・・・・!
サレージャ
ちょっとした親切心で答えを教えて差し上げようと思いましてね。
この街が何のか、これまで戦ってきた相手が何者なのか・・・・・・。
知りたいのでしょう?
この場所は「ジュノ下層」・・・・・・異界「ヴァナ・ディール」に存在する都市国家、ジュノ大公国の街路です。
アルシャール
本当に、ここはジュノだったのか・・・・・・。
しっかし、ぬぐえないこの違和感はなんだ・・・・・・?
サレージャ
当然でしょうな。
この街は、観測した異界の記憶を基に、私が創り上げた虚像に過ぎないのですから・・・・・・。
魔のバクージャジャ
創り上げた、だって・・・・・・?
サレージャ
ええ、あなたがたが継承式に参列しているころ、私はゾラージャ王子とともに、黄金郷の扉の前にいました。
起死回生の力を手に入れようとして、ね。
継承の儀に敗れた王子を、今度こそ真なる王へと仕立てるため、王宮の宝物庫より「鍵」を盗み出し、渡してやったのです。
ところが私は、手酷い裏切りに遭った。
背中からバッサリ斬られたのですよ、王子に・・・・・・。
しかし九死に一生を得た私は、残った力でなんとか開かれた扉へと向かい・・・・・・天地もわからぬ空間へと落ちていった。
そして、時と空間が入り交じる世界と世界の狭間で、私は異界を垣間見えたのです。
その世界の名は、「ヴァナ・ディール」。
プリッシュ
よくわかんねぇことを、ペラペラと・・・・・・つまり、この街の全部が幻だってのか!?
信じられるわけあるか、そんなこと!
プリッシュ
石になっちまった・・・・・・!?
サレージャ
言ったでしょう。
この街は、私が創った虚像であると・・・・・・。
私が観測した異界「ヴァナ・ディール」の記憶を、マムークに伝わる呪法を用いて、虚像として紡いだのです。
もっとも、この呪法で紡いだ幻影は、せいぜい一戦交えるのが限界で、すぐに霧散してしまう、が・・・・・・。
魔のバクージャジャ
サレージャが幻影を呼び出した犯人だったみたいだね。
そして、あの石は・・・・・・エレクトロープ?
サレージャ
ほう、そんな名で呼ばれているのか。
この石には、膨大なエーテルを溜め込む性質がありましてな。
核として使えば幻影を長持ちさせられると気づいたのですよ。
狭間には、黄金郷の一部と思しき、この不可思議な石で築かれた街が漂流しておりましてねぇ。
虚像の材料には、事欠かないというわけです。
プリッシュ
あっ!
ここがヴァナ・ディールじゃなくてジュノが虚像ってんなら、まさか、俺も・・・・・・なのか?
アルシャール
では、私も・・・・・・ということか。
サレージャ
あなたは、はて・・・・・・?
まあいいでしょう、これから行う大業の前では、些末なこと。
重要なのは、私が異界「ヴァナ・ディール」のいくつもの可能性、「ウォーク オブ エコーズ」を観測し、その記憶を得たということ・・・・・・!
これらの記憶を利用すれば、自在に虚像を・・・・・・いわば「エコーズの残滓」を実体化できるのです!
もはや、私を棄てた出来損ないの王子などどうでもいい・・・・・・今となっては、この手で「最強の王」を創り出せるのだから!
ホッホッホ、そう焦らないでください。
今戦っても構いませんが、楽しみは先にとっておくもの・・・・・・。
ヴァナ・ディールを観測して集めた、つわものたちの残滓から、世界を統べる力を持つ最強の王を生みだしてみせましょう。
ふたつの世界のマムージャ族の王を融合した、こやつを素体にすることで、ね・・・・・・。
さにすと
お前の野望は打ち砕く!
サレージャ
よろしい、それでは次の戦いの準備が整いましたら、招待状をお送りいたしますよ。
そのときを心待ちにしていてください。
戦のバクージャジャ
待ちやがれッ!
―プリッシュ
・・・・・・・・・・・・。
―アルシャール
プリッシュ・・・・・・。
戦のバクージャジャ
チッ・・・・・・逃げやがって・・・・・・!
にしても、まさか異界とはなァ・・・・・・さすがに驚いたぜェ。
つまりヴァナ・ディールって世界は、ヤースラニ荒野に現れた、アレクサンドリアだかって国より遠い場所にあるってことだろ?
で、プリッシュの嬢ちゃんやアルシャールは、そのヴァナ・ディールの生まれって話だが・・・・・・
だいぶ堪えてるみてェだな。
サレージャの言うことだから本当かは怪しいもんだが、自分が創り物だなんて言われたら、無理もねェ。
―戦のバクージャジャ
にしても、サレージャの野郎・・・・・・ゾラージャの次は、その父親・・・・・・それも幻影の腰巾着とはな。
どこまでも情けねェ野郎だぜ。
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