「ジュース店、立ち退きの危機」
シェーロジャ
異国の職人、さにすとね?
私は店主のシェーロジャよ。
薬や食品の配合に詳しいなら、どうか「ジュースクラフト・シェーロジャ」に、貴方の力を貸してほしいわ。
ローペリさんから話があったとおり、この店はいま、経営がうまくいっていないの。
順を追って説明させてもらうわね。
トライヨラでは、大陸各地の新鮮な果物を使った、絞りたてのジュースが人気なのよ。
私は料理人として腕が立つわけではないけれど、定番のジュースならだいたいは絞るだけだし、うまくいったわ。
だから開店当初はお客さんの評判もよかったの。
でも、だんだんと客先が遠のいてしまって、今では赤字が出る日もあって、このままだと遠からず、万貨街から立ち退かないといけないわ。
原因は自覚しているの・・・・・・。
私が、簡単で定番のジュースしか作れないせいで、それ以外に売りとなる目玉商品がないのよ・・・・・・!
似たお店がたくさんある中じゃ、お客さんがうちまで足を運ぶ理由がないわ・・・・・・。
これじゃ、売り上げも落ちて当然ね。
だから、どうにかして店を盛り返すために、貴方のような優秀な職人から技術を教わりたい、というわけなの。
気合十分ね、ありがたいわ!
なら、さっそく具体的な依頼の話をしたいけど・・・・・・
実はもうひとり、「ハレナルク」という、採集業を営むモブリン族にも協力をお願いしているの。
よければ、続きは彼も交えてどうかしら?
ありがとう。
私は店の片付けをしたあと合流するから、「ベイサイド・ベヴィー」の南へ、先に向かっててもらえる?
―シェーロジャ
モブリン族の「ハレナルク」はベイサイド・ベヴィーの南に来ているはずよ。
悪いけど、先に向かっててもらえる?
ハレナルク
フゴォ・・・・・・フゴォ・・・・・・オマエ ジュース屋 協力者?
さにすと・・・・・・モブは モブリン族の ハレナルク。
ギャザラー本業 しっかり採集。
だけど今日は 店主と共に 話し合い・・・・・・ なんだか とてとて めんどくさーい。
シェーロジャ
集まってくれてありがとう。
自己紹介はもう済んだみたいね。
さっそく本題に入りましょう。
ふたりの力を借りて、売り上げを回復させるため、新しいジュースの開発をしたいの。
ずばり、トライヨラに住まう各部族、それぞれの「健康」を支えるジュースをね!
果物には、健康に役立つ栄養がたっぷり含まれているわ。
だけど、部族によって身体のつくりは異なるから、不足しがちな栄養素は違ってくるの。
だから私は果物や錬金薬をかけあわせて、それぞれの部族が健康になれるジュースを、店の目玉にしたい!
美味しくて、身体にも良いジュースを売り出していければ、きっとお客さんたちも戻ってきてくれるはずだわ。
先日の襲撃があって、トライヨラにはまだ不安を抱く人もいる。
こんなときだからこそ、健康のためのジュースを作って、みんなに元気を出してもらいたくてね。
さにすとには錬金術師として、繊細な配合を行う技巧でジュースの栄養価を高めてほしいの。
改めて、どうか協力をお願いするわ・・・・・・!
さにすと
健康かつ激ウマにしよう!!
シェーロジャ
す、すごく力強く言うのね。
おいしくない健康食品に、なにか嫌な思い出でも・・・・・・?
ともかくありがたい提案だから、ぜひお願いしたいわ。
ありがとう・・・・・・!
ではさにすと、今後ともよろしくね。
トラルの果物のことなら、私もいろいろ話せるし、今後のことは相談しながら決めましょう。
ハレナルクには・・・・・・新商品のことが固まったら、必要になる素材を採ってきてほしいの。
内容が決まるまで、少し待たせることになってしまうけれど・・・・・・ああ、そうだわ、よければ貴方も意見をくれないかしら?
多種多様な部族に訴えるジュース作りのために、モブリン族としての視点で、遠慮なく話してくれると助かるわ。
お店の再建に繋がる意見なら、追加の報酬も払うし・・・・・・!
ハレナルク
モブから 意見は 特にない・・・・・・
シェーロジャ
そ、そう・・・・・・。
ええと・・・・・・ともかく、店に戻って、作業に取りかかりましょう。
―ハレナルク
フゴォ・・・・・・フゴォ・・・・・・ モブから 意見は 特にない・・・・・・
シェーロジャ
改めてふたりとも、引き受けてくれてありがとう。
どうか、これからよろしくね。
トライヨラに住まう部族を健康にするジュース作り・・・・・・立ち退きを回避するためにも、力を貸してもらえると助かるわ。
シャーロジャ
まあ・・・・・・!
これは予想以上の出来映えね!
思わず味見したくなってしまうような、とても甘い香りが漂っているわ。
見事な「チェリモヤジュース」が完成したわね!
これはマムージャ族を対象にしたジュース。
味わいが好まれるかどうか、まずは私に確かめさせて!
これは・・・・・・美味しい!
チェリモヤの濃厚な甘さや香りがそのまま・・・・・・いえ、より強く感じられる味わいになっているわ!
私もマムージャ族だから、チェリモヤには苦手意識があって・・・・・・。
鱗に似たその見た目を思い出すと、効能を知っていても食べようなんて考えられなかったの。
けれど、ジュースとして堪能できるなら、見た目と関係なく喜んでもらえるはず。
美味しい上に肌にも良いなら、私だって毎日飲みたいくらいだわ!
これが職人、さにすとの腕なのね・・・・・・!
ぜひ、製法を教えてちょうだい!
ふむふむ、なるほど・・・・・・。
ありがとう、あとで製法を書き起こしておくわね。
これで私でも作ることができそうだわ。
ところでハレナルク、よければ貴方も1杯飲んでみない?
モブリン族の貴方からも、ぜひ意見をもらいたいの。
ハレナルク
仕事を早く 終わらせたい・・・・・・ だから飲まない 意見もない・・・・・・。
材料 採集 さっさと済ます・・・・・・。
シェーロジャ
うーん・・・・・・。
私、なにかまずいことを言ったかしら・・・・・・?
ああ、ごめんなさい。
私こういうとき、自分がなにか失敗してないかって、つい考え込んでしまうの。
前も断れたのに、しつこかったかもしれないわね・・・・・・。
貴方が作ってくれたジュースが絶品だったから、つい。
ともあれ、今回の試作品をもとに、商売として売り出していくわね!
ふふ、苦手なチェリモヤの皮剥きだって、お客さんの反応が楽しみで頑張れちゃいそうよ。
次は、ほかの部族に向けた健康ジュースを作りましょう。
さにすとも、トラル大陸の食材に慣れたり、腕を磨いたりしておいてもらえると助かるわ。
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