「銀色に輝く故郷」
キキプ
ぼ、冒険者さん、た、大変よ!
シルバーバザー存亡の危機なの!
ついに、地上げ屋が本格的に動き出したの!
奴ら、偽の売買契約書をでっちあげて、住人たちを強制的に排除するつもりらしいの!
そんなことしたら、このバザーはおしまいよ!
やっぱ余計なこちゃったんじゃないの!?
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キキプさん、あなたもつくづく強情なお人だ。
たった一言でいいんですよ。
「我々に土地を譲り渡す」と言ってもらえませんかねェ?
キキプ
またアンタね!
何度来ても答えは変わらないわよ!
シルバーバザーはワタシの大切な故郷なの。
アンタなんかに絶ッッ対にわたすもんですか!
ケンリック
・・・・・・・・・・・・このアマァ。
下手に出てりゃ、つけあがりやがって!
オレんもバックに誰がついてるか、知らねェのか?
こんなクソみたいな集落、キレイサッパリ更地にしてやンよ!
おッと、もともと何もねェとこだがな。
キキプ
・・・・・・何もないですって?
ううん、それは違うわ。
お客も、お金も・・・・・・確かにこの集落には何もない。
でも、ここには「思い出」があるの。
私たち住民が暮らした、たくさんの思い出が・・・・・・。
村人総出で汗水たらして井戸を掘ったり・・・・・・お祭りを成功させるため、みんなで盛り上がったり・・・・・・。
それがこのシルバーバザー、私の生まれ故郷・・・・・・そんな思い出を、アンタなんかに壊させないわ!
臭っ。
ごめん、「思い出」があるの、とかで都市開発の邪魔してるのは正直納得いかないよなぁ。
停滞させてるのはその過去のくだらない思い出なんだよなぁ。
ケンリック
・・・・・・フン!
まァいい、もう土地買収は最終段階。
バザー内の建造物に「差し押さえ証」を貼っておいた。
いいか?
間違っても「差し押さえ証」を剥がそうなんて、フザけたこと考えんじゃねェぞ?
ウチの若い衆はm血の気の多い奴ばっかりだからなァ!
キキプ
さにすと、お願い・・・・・・「差し押さえ証」を全部剥がして、ケンリックを追い出してちょうだい!!
あんまり乗り気じゃないけど、まあお金ももらってるし、この集落がどうとかウルダハがどうとか正直興味ないから依頼者の言うことに従っておきます。
差し押さえ証を剥がすと近くにいた暴力団的な奴らが襲い掛かってきたが、多分末端の手下なんだろうな、ちょちょいとひねってやりました。
ケンリック
あんだァ?
もう遅ェんだよ!
今、組の手配した解体屋がこっちに向かってんだ。
「差し押さえ証」の貼ってある建物は、根こそぎドカーンだぜ?
ほれ、差し押さえ証。
君らのやり方もどうかと思うよ、僕は。
・・・・・・どひョウッ!
こ、ここここここれは「差し押さえ証」;ツ!?
テメェ、これ全部剥がしたのかッ!?
・・・・・・ってことは、俺の部下たちは全員、お前が・・・・・・!?
ち、ちくしょう、覚えてやがれッ!
次はシャレにならん奴らをつれてきてやるッ!
こんなバザー、丸ごと地図から消してやるからなッ!
都市開発に命かけててもそんな発言でないと思うけどな。
なんか別の恨みとかが乗っかってる気がする。
こいつもこいつで意地張ってらっしゃるようで救いようのないお話になりそうだ。
とりあえず差し押さえ証は突き返しましたよ。
あとはあなたたちでどうにかしてくださいな。
キキプ
・・・・・・どうやら、ケンリックを追い返したみたいね。
アイツの言う「シャレにならん奴ら」っていうのは怖いけど、とりあえず当面はバザーも平和になりそう。
・・・・・・ありがとう。
ふふふ、ちょっと照れくさいわね。
お礼の言葉を言うなんて何年ぶりかしら。
いや、普通にお礼は言いなさいよ。
なにその最終盤に見せるプライドの高さ。
私はこのシルバーバザーを・・・・・・私たちの故郷を、これからも頑張って守っていくわ!
????
俺たちも手伝わせてくれよ、キキプ!
キキプ
あら、あなたたち・・・・・・。
ガルフリダス
お前がケンリックの野郎に切った啖呵、聞いてたぜ。
たしかにこの集落にはなにもねェ。
だが捨てるには、ちっとばかし大切なものが多すぎらァ。
ファファフォノ
お前とはケンカばっかりしてたが・・・・・・それも大事な思い出だ。
何もないなら、力を合わせてこれから何かを作らなくちゃな!
やっぱこいつら、なんやかんや言うてこの集落が好きなんだろうな。
でも、ファファフォノの言うとおりこのままではまた都市開発の候補になって同じこと繰り返しそうだから、なにか強みをこの集落で作っていかんと駄目よ。
キキプ
みんな・・・・・・ありがとう。
さにすと、あなたもいろいろとありがとう。
シルバーバザーからは、きらびやかな服も、賑やかな船も無くなってしまったけど・・・・・・この集落に住む人たちの「思い出」がある。
そして人がいる限り、そこには「希望」もあるわ。
あなたが守ってくれたこの集落、これからもみんなで頑張って守っていくわ!
思い出を守るだけじゃ金にはならんからな。
攻めろ?
もっと攻めろ!
あ、そうそう、この「モモディ宛の手紙」を、ウルダハのモモディに持っていってちょうだい。
私、モモディとは昔なじみなの。
モモディなら、冒険者の貴方にぴったりの報酬を用意してくれるはずよ。
ほう、モモディが繋がってくるわけか。
まあ手紙を渡すだけなら喜んで引き受けようではないか。
モモディ
あら、わたしに届け物?
何かしら。
手紙?
一体誰かしら・・・・・・。
キキプからじゃない、珍しいわね。
内容は・・・・・・ふふっ、彼女らしいわね。
まだシルバーバザーに活気があったころ、彼女のところへよく遊びに行ったわ。
当時は一緒に、夜通し恋話をしたものよ。
意外ときついよなモモディ。
活気無くなったら全然訪ねてないっぽいもんなw
薄情だぜ。
キキプといったら、シルバーバザーの看板娘って、このウルダハでも評判だったんだから。
それにしても、強制立ち退きを迫るなんて・・・・・・。
まったく、強引なやり方をする人達がいるのね。
あなたが助けてくれてよかった。
でも、わたしは何も心配なんてしてないわ。
彼女のいるシルバーバザーだもの、きっと盛り返すに違いないわ。
キキプとシルバーバザーを守ってくれてありがとう。
わたしからもお礼をさせてちょうだい!
無事?シルバーバザー問題は解決、でいいのかな?
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