「富豪のはした金」
ジュネヴィーヴ
うひゃほっ!
な、何よ、庶民の分際で脅かさないで頂戴!
大富豪令嬢である私に話しかけるなんて百年早いわよ!
大富豪令嬢となれば話しかけるのですら身分が必要なのです。
ならこんな庶民が山ほどいるところにおらんとってくれよ。
VIP席で見てくれよな!
お陰でお財布から、お金が落ちちゃったじゃないの!
まったく、お金がありすぎるってのも大変よね。
・・・・・・って、アンタのせいよ!?
さっさと落ちているお金、拾ってくださいませんこと?
―ジュネヴィーヴ
・・・・・・庶民が話しかけないでくれる?
大富豪令嬢の言うことは絶対。
ウルダハでは金が正義なわけだから、しっかり落とした小銭たちを拾います。
ええ、庶民なので当然ですよ、ええ。
ジュネヴィーヴ
何をぼさっとしているのよ。
早くお金を渡しなさい!
ひいふうみい・・・・・・ふぅ、どうやらちゃんと全額拾えたみたいね。
まったく、気をつけてほしいわ!
だ、大富豪だからこそ、小銭の管理にも気を抜かないのよ?
別にケチなんかじゃないんだからね!
いや、これはマジで大事なことよ。
大富豪だからって小銭馬鹿にしてたら一気に転落してしまうよ。
富豪はやっぱりこういうはした金もしっかり自分のものにするんだよな。
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