さて、ルディの大冒険は第2幕へと突入した。
今回の任務は「お菓子配り」。
前回同様、上手く事を運ぶことができるのだろうか。
アム・ガランジ
それでは改めて、お菓子配りのお手伝いをお願いさせていただきますね。
リッサイ
オイラたちに任せな!しっかりルディを支えてやるからよ!
アム・ガランジ
ご協力に感謝いたします!中央森林のベントブランチ牧場にいる、星芒祭実行委員「ベーンフェールド」にお声がけください。
彼らもテレポが使えるのか、はたまた徒歩で向かうのかはわからないが、とりあえず現地集合だということで、さにすとはテレポを使って、ベントブランチ牧場へと向かった。
するともうすでに彼らの姿があったので、恐らく彼らもテレポを使えるのだろう、と合点がいった。
―リッサイ
ルディのやつ、緊張してるみたいだな。まあ、無理もないか。
―ルディ
イ・・・・・・イェッ・・・・・・。
ベーンフェールド
アムさんから、話は聞いているぜ。お菓子配りの手伝いをしてくれるんだってな?よろしく頼むよ。
リッサイ
おうよ、任せてくれ!ミューヌのやつ、張り切ってたくさん作ってくれたみたいだな。こりゃ、手分けして配った方がよさそうだ。
Sunnyとルディで組んでくれよ。オイラはあっちの方を回ってくるぜ!
ルディ
イェイッ!
リッサイ
今回もルディが頑張るみたいだから、Sunnyは、見守ってやっててくれよ。終わったら、ここに集合な!
―ベーンフェールド
この菓子、俺もひとつ貰ったんだが、手頃な大きさだし、外はカリカリ中はサクサクでな、際限なく食っちまいそうだぜ。
お菓子配りの対象は子どもたち。
果たして、魔物であるルディは怖がらせることなく配り終えることができるのだろうか?
まずは、チョコボ留の近くにいた少年少女に声を掛けてみる。
―お腹を空かせた少女
もう、お腹ペコペコ!プレゼント貰って早く帰ろうよお。
―気弱そうな少年
プレゼント貰いに行きたいけど、あの係の人、大きくておっかないなあ・・・・・・。
ルディ
イ、イェーーーイ・・・・・・!
気弱そうな少年
うわあああっ!?ま、魔物・・・・・・なんで?
ルディ
イェイッ!
お腹を空かせた少女
わ、何かくれるの?それにその格好、まるで聖人の従者さんね。
怯える子どもたちに対して、優しい笑顔でルディはシュネーバルの入った箱を渡した。
お腹を空かせた少女
わああ、美味しそうなお菓子!ちょうどお腹ペコペコだったの!
気弱そうな少年
ううっ、食べても大丈夫かな・・・・・・?でも冒険者さんもいるし、大丈夫だよね。・・・・・・ありがとう。
お腹を空かせた少女
ありがとう、白くてふわふわの聖人の従者さん!少しずつ大事に食べるからね!
ルディ
イェーーイッ♪
―お腹を空かせた少女
とっても美味しい!こんなの、お母さん作ってくれなかったよっ!
―気弱そうな少年
あ、甘くてすごく・・・・・・サクサクだね!ありがとう聖人の従者さんたち!
最初は少年がビビってはいたが、ルディの無垢なまなざしに少女の方が気付いたようで、なんとか1件目のお菓子配りは成功した。
少年よ、少女の前で怖気ずくとは情けない。もっと強くなりなさい!
さて、場面が変わって、今度はチョコボの飼育場周辺の子どもたちに声を掛ける。
―退屈そうな少年
前回貰ったものは、おさがりの帽子さ。まあ、嬉しいけどさあ・・・・・・!
―大人しそうな少女
都に行ってみたいけど、ママがだめだって。聖人の従者さんに会ってみたいなあ。
ルディ
イェッ、イェッ!
退屈そうな少年
・・・・・・うわ!なんだこのチビっこいの!?そこの冒険者さん、なんとかしてくれよ!
大人しそうな少女
お兄ちゃんまって、何か持ってるよ。・・・・・・どうしたの?
それ、私たちにくれるの?
ルディ
イェーイ♪
ルディはシュネーバルの入った箱を渡した。
退屈そうな少年
なんだなんだ、この丸っこいお菓子。見たことないぞ?
大人しそうな少女
うれしい!かわいい聖人の従者さんたちにもらったって、あとでみんなに自慢しに行こう?
退屈そうな少年
うん、すっげーいい匂い!ありがとな、おチビさんと冒険者の姉ちゃん!
ルディ
イェーーーーーイ♪
―退屈そうな少年
さっきのお菓子、うまかったー!!
―大人しそうな少女
えへへ、聖人の従者さんに会えちゃった!
今回もさっきと同じパターンで、男の子がビビり、女の子が察するという結果に終わった。
ここの運営は女の子の方が勇敢だということを伝えたいのだろうか?
あからさまに少年の設定が意気地なしばかりであった。
それは置いといて、今回も無事にお菓子配りに成功した。
さて、お菓子配りについて、ベーンフェールドさんに報告に行こう。
―ルディ
イェイッ、イェイッ♪
―リッサイ
こっちも子どもたちに大好評だったぜ!
ベーンフェールド
ご苦労さん!お前さんたちが発案してくれたっていう菓子は、子どもから大人まで大好評・・・・・・
男の叫び声
うわああああ!?なんでこんなところにイエティが!?
ベーンフェールド
い、今の声は・・・・・・入口の方か!?
突然の男の叫び声で、星芒祭の幸せな雰囲気が一転。
さにすとも「冒険者として」現場へと向かう。
チョコボ留近くの入り口に大きなイエティが2体立っていた。
人間から見ると、このサイズはとても大きいよな。
その巨躯のイエティに鬼哭隊員が1人で対応していた。
ベーンフェールド
どうしたんだ!?
鬼哭隊の衛士
わ、わかりません!突然イエティたちが現れて・・・・・・!
大柄なイエティ
グオオオオオォォォ!!!
ルディ
・・・・・・・・・・・・イ、イェ・・・・・・。
リッサイ
ふむ・・・・・・ふむふむふむふむ。そういうことか。
落ち着きな。どうやら、彼らはルディの兄弟たちらしい。弟を連れ戻しに来たみたいだ。
ベーンフェールド
それは、心配して迎えに来たってことかい?いい兄貴たちじゃないか。ずいぶん怒っているようにも見えるが・・・・・・。
リッサイ
たしかに怒っているが、その対象はルディだ。小さきグズの弟め、簡単に捕まりやがって!・・・・・・そんな風に言っているな!
ベーンフェールド
なんだあ?ルディ、舐められてるじゃねえか。
ルディ
イェーーイ・・・・・・。
おっと、思わぬ容疑をかけられているようだ。
「捕まってなんかいないと言ってやれ!」
と、ルディに発破をかけた。
ルディ
イェ・・・・・・!
大柄なイエティ
グオオオオオォォォォォォォォォォ!
ルディ
イェェェェイイ・・・・・・!
大柄なイエティ
グオォォォ・・・・・・!
ルディ
イェェェェェェェェェェェェェイイイイイイ!!!!
通訳がいないとこの様子である。
獣が吠え合うカオスな状況。
さにすとだけでなく、鬼哭隊員、ベーンフェールドさんがたじろぐ。
ベーンフェールド
お、おいおい・・・・・・どうなったんだ?
リッサイ
へへっ。ルディのやつ、やりやがったぜ。ちゃんと自分の口でこう言ったさ。
みんなと一緒に、すごい「雪玉」を作ったんだ。小さくたって、自分には誇りなんだ。絶対に馬鹿にはさせない・・・・・・ってさ!
ルディ
イェーーイ?
リッサイ
なあ、ルディよ。この際だから兄弟たちにも、オイラたち自慢の「雪玉」を食べてもらおうぜ!
ルディが材料調達してきた通称「雪玉」をバカにしてきた兄弟たちにも配ってみる。
兄弟たちはその質の高さに一歩後退した。
ベーンフェールド
よかったなあ、兄弟たちのも大好評だったじゃないか。ルディの小さな雪玉。
大柄なイエティ
グオオォォォォ!!
リッサイ
はははっ、こう言ってるぜ!今まで馬鹿にして悪かった。ルディ、お前は自慢の弟だ!!・・・・・・ってさ!
ルディ
イェーーーーーーーーーイ!!!!
数分前までは「グズな弟め!」と貶としていた兄弟たちも、美味しすぎるスイーツには完敗。
自慢の弟へと一気に変貌を遂げた。
無事に兄弟仲も良くなった。
さてと、ひとまずさっきのところに戻ろうとしたところ、どこからか視線を感じた。
突き刺すような殺気を感じる視線ではなかったので、ここは敢えて探さずに元の場所に戻る。
―ベーンフェールド
そういえば、さっき誰かが覗き見していた気配がしたが・・・・・・。
―リッサイ
ルディが兄弟たちに認められてよかったな!これもSunnyが、根気強く付き合ってくれたおかげだぜ。
ルディ
イェーーイ・・・・・・イェイ、イェイ!
リッサイ
ルディは兄弟たちと一緒に、山に帰るってよ。流れの聖人にお礼を言えなかったのが心残りみたいだが・・・・・・。
ベーンフェールド
いや、きっと想いは伝わっているはずさ。その証拠に、さっき余ったシュネーバルを置きに戻ったときに、見覚えのない手紙が置いてあったんだ・・・・・・読み上げるぞ。
見覚えのない手紙
「素敵な雪玉が作れましたね。あなたも、立派な聖人の従者です。ホッホウ!」
リッサイ
やったじゃないか、ルディ!本物の聖人様から、従者に認められたんだぞ!
ルディ
イェェェェェェイ♪
イェーーイ、イェイ、イェッ。イェーーーーーイ、イェイ!!!
リッサイ
そうだな・・・・・・。Sunnyとの別れは寂しいよな。その気持ちはオイラがしっかり伝えるぜ。
Sunnyやみんなが、自分の短所を、それが個性だと認めてくれたから頑張れた。
そして、星芒祭に参加するみんなが、親切な思いやりの心を持っていたから、生涯自慢の雪玉が完成した・・・・・・。
この素敵な経験はずっとずっと忘れない。どうもありがとう、Sunny!・・・・・・ってさ!
ルディ
イェイ、イェイ♪
リッサイ
ああ、またなルディ!困ったことがあったら、また来いよ!
ベーンフェールド
じゃあな、ルディ!達者でな!
行っちまったな・・・・・・。ほんの少しの関わりだったとは言え、名残惜しいぜ。
リッサイ
・・・・・・そうだな。でも、またいつかどこかで会えるかもしれないぜ!
さて、オイラたちも戻ろう。「アム・ガランジ」さんに事の顛末を報告しにな。彼女もルディのこと気に入っていたから、寂しがるかもな!
―ベーンフェールド
「アム・ガランジ」に報告してやってくれ。俺はまだ贈り物を配っていくからよ。
この数時間で、ルディは大きく成長した。
身体的成長ではなく、精神的成長のほうである。
最初はまごまごしていたが、負けん気の強さと積極性が周りの人を巻き込み、終始見た目以上に自分の姿を大きく見せていた。
誰かと共にすることで、人は大きく成長するということを伝えたかったのかもしれない。
兄弟の元へと帰っていったルディを後に、アム・ガランジさんへ事の顛末を伝えることにした。
―リッサイ
さあ、彼女に事の顛末を話してやんな。
アム・ガランジ
みなさん、おかえりなさい!あら、ルディは・・・・・・?
ええっ!??帰ってしまったんですか・・・・・・?もう一度、モフモフしたかったのに・・・・・・。
リッサイ
そんなに気に入ってたのか?
アム・ガランジ
はいっ!あの幸が薄そうな感じがいじらしくて・・・・・・で、ではなくて!
改めてお礼を言わせてください。冒険者さんと、リッサイに。
ルディが、自分の個性に自身が持てるようになって、兄弟たちに認めてもらえたのは、おふたりのお力添えのおかげです。
そんなルディの頑張りを、皆に語り継いでいきたいと思います。誰かを喜ばせたい、そんな純粋な想いを、改めて思い出させてくれましたから。
わたくしも、ルディに負けないように頑張らなくては!同じ聖人の従者として!
リッサイ
オイラも久々に楽しかったよ。Suunyはもちろん、森都の人たちの人情にも触れられたしな!
さて、オイラもこの辺で失礼するよ。次の出会いを求めて、旅から旅ってな・・・・・・!
それじゃあ、またどこかで!ピンチの時は、世界中どこでも駆けつけるぜ!
アム・ガランジ
本当にありがとうございました。ささやかですが、わたくしなりにお礼を用意しましたので、ぜひ受け取ってください。
そういえば、「流れの聖人」様と今になって連絡がついたのです。一部始終をお伝えしたところ、ぜひ冒険者さんとお話ししたいと・・・・・・、ご都合がよろしい時に、私にお声がけくださいね。
ルディばかりに目が行くが、今回はリッサイがいなければ達成できることがなかった案件。
しっかり人生の大先輩であるリッサイにもお礼を言っておこう。
これで、小さきものの大きな冒険が終幕を迎えた。
引き続き、「流れの聖人様」に呼ばれているので、さにすとの星芒祭はまだまだ終わりません!
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